50年たっても、未だこのジャンルでこの作品を超える作品はありませんね。
ビリヤードの世界を舞台にした一人の男の成長物語。
1961年度(米)
ロバート・ロッセン脚本、監督作品。
『ハスラー』(モノクロ)
ハスラーとは、日本での「ビリヤードをする人」という意味とは違い、本来はギャンブルでうまく相手を煽りながら金を巻き上げる事を言うのだそうです。
主人公エディ(ポール・ニューマン)は自分こそ最強のハスラーだと信じている。
そんな彼が15年間一度も負けたことがないといわれるファッツ(ジャッキー・グリーソン)に挑戦を挑み、最初は善戦するが、持ち前の心の弱さをつかれ、完敗してしまう。
そんな彼の前に現れるのは、自称女子大生のサラ。
そして、ファッツとの激戦を観戦していたプロの賭博師バート(ジョージ・C・スコット)。
サラは、エディと同じように酒に溺れて謎の多いミステリアスな女だったが、自分と似たような雰囲気を持つ彼女にエディは惹かれていく。
バートはエディのスポンサーとして、エディに賭博の資金の提供を申し出るが、エディはその申し出を拒絶し、
自分の力で資金を稼ぐと啖呵を切る。
しかし、考えていたように上手くいかない。
あろうことか、相手のハスラーの用心棒達によって両手の親指を折られてしまう。
サラの介護でケガも回復し、バートの提案を受け入れる事にしたエディは、バートの指示に従うことにする。
その後、順調に愛をはぐくんでいたエディとサラに悲劇が起こる。
傷心のエディ、宿敵のファッツに再戦を挑む事になるのだが・・・
この作品は、ビリヤードの競技場面を見せるのが主眼ではなく、(もちろん、競技場面は圧倒的な迫力で描かれますが)人間エディの成長物語になっています。
サラによって、勝負に勝つための精神力を手に入れたというエディの台詞が、この作品の全てを語っています。
展開はどちらかというと地味にすすんでいます。
タバコの煙と酒に支配されたような画面にサラとエディの恋愛シーンだけが色がついているように感じます。
いまや、古典となりつつある一編ですが、観ておいて損はありません。
お勧めです。
がちゃん
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