1993年度(米)
スウェーデン出身のラッセ・ハルストレム監督作品。
胸が痛くなるような感動を与えてくれるような作品とはなかなか出会えないものですが、この作品はまさしくそれです。ジョニー・デップやレオナルド・ディカプリオをはじめ、出演者全員好演。
名手、スヴェン・ニクヴィストのカメラも感動を盛り上げてくれます。
『ギルバート・グレイプ』
アイオワ州の片田舎「エンドーラ」。
この、人口も少なく何もない街に住む青年、ギルバート・グレイプ(ジョニー・デップ)。
彼には、常に面倒を見てあげなければならないまもなく18歳になる弟アーニー(レオナルド・ディカプリオ)と、17年前の夫の自殺の日からショックで外出もせずひたすら食べ続けて、鯨のように太ってしまった母のボニー(ダーレーン・ケイツ)がいた。
姉のエイミー(ローラ・ハリントン)、妹のエレン(メリー・ケイト・シェルバード)と共に、父の建てた家で愛に包まれて暮らしていた。
![あの時の映画日記](https://stat.ameba.jp/user_images/20091219/12/hal-9000hn/d7/7f/j/t02200300_0330045010345858090.jpg?caw=800)
ギルバートは、目を離すとすぐに給水塔に登って周囲に迷惑をかけたりする弟や、母親の世話のために家を離れる事ができずにいた。
彼は、小さな食料品店で働いている。
その店の客で中年の夫人ベティ・カーヴァー(メアリー・スティーン・バージェン)との不倫の関係を続けていたが、ベティの夫はどうやらその関係に気がついているようであった。
ある日、キャンピング・カーの故障で沿道でキャンプを張っている少女ベッキー(ジュリエット・ルイス)とギルバートは知り合う。そして、何となく親しくなっていき2人の仲は急速に深まっていく。
![あの時の映画日記](https://stat.ameba.jp/user_images/20091219/12/hal-9000hn/78/04/j/t02200161_0450033010345864212.jpg?caw=800)
そんな時、ベティの夫が急死する。夫にかけられていた保険金の疑惑を世間から向けられベティは子供と共に街を出る。
バーニーの18歳の誕生日の前日、ギルバートはアーニーの入浴の世話に手を焼き、苛立ちが募っていた彼は心ならずアーニーを殴ってしまう。
狼狽したギルバートは家を飛び出してしまう。
アーニーも飛び出してしまった・・・
そして、華やかで悲しいアーニーの18歳の誕生日パーティー
照れくささを捨てて言い切るとすれば、この作品は本当の「家族の愛」を描いた傑作といえると思います。
主要人物に悪人が登場しないのも上質の人情ドラマの条件であると私は思うのですが(周囲の人間で、一部ギルバートの家族に好奇の視線を向けたりする人物は登場するが)この作品はまさしくそれだと思います。
最初にも述べたように、胸を締め付けられるような感動が湧き上がり、最後まで気分良く観られます。
全てをリセットするために家が炎上するシーンは、撮影の見事さとあいまって、かの名作「風と共に去りぬ」のそれとダブります。
有名な作品で、ファンの方も多いと思いますが、まだ未見の方がおられたらぜひ御覧下さい。
因みに原題は「何がギルバート・グレイプをいらだたせるのか」です。
がちゃん
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