その僕が農夫になる。あの’声’を聞くまで
型破りな事を何もしたことがない。
親父は年に負けた。
僕の年のころには・・・老人だった。
親父にも夢はあったろう・・・だが何もしなかった。
”声”を聞いたかもしれないのに・・・
耳を貸さなかった。
何一つ、冒険をしなかった。
僕はそうなるのが怖い。
そういう冒険が出来るのも
今が最後だ
僕の父はジョン・キンセラ
アイルランド名だ。
1896年 北ダコダ州で生まれ
大都会をみたのは
欧州から帰還した1918年。
シカゴに住み着き
ホワイト・ソックスファンに・・・
1919年のワールドシリーズ敗戦で泣き
翌年 8人の選手の八百長事件では号泣した!
父自身 12年マイナーでプレイを
35年 ブルックリンに越してママと結婚・・・
僕が52年に生まれた時には
もう 年だった。
僕の名は レイ・キンセラ
3歳でママが死に
親父がなんとか母親がわり。
おとぎ話の代わりに
シューレス・ジョー・ジャクソンの話を聞いた。
親父はヤンキース
僕はドジャース
ドジャースが越して
口論の種は野球を離れ
大学に進む時は
うちから一番遠い大学へ
親父は僕の狙いどおりに
苦い顔をした。
英語を専攻したが
時代は60年代。
反戦とマリワナ
シタールをつまびき
アニーを知った。
彼女は アイオワ出身
かすかに聞いたことのある州名だ
卒業後 僕らは彼女の家に転がり込んだ。
半日が限界だった。
僕らは74年に結婚し
その年 親父が死んだ。
やがてカリンが生まれた。
少し匂ったが かわいかった。
農場を買おうと言い出したのはアニーだ。
野球場を作りたい
頭がへんかな。
ええ
でも あなたが本気で
そうしたいと思うなら・・・
するべきよ。
『フィールド・オブ・ドリームス』
1989年度作品。脚本・監督 フィル・アルデン・ロビンスン
主演 ケヴィン・コスナー
アイオワの牧場主(ケヴィン・コスナー)が
「それを作れば、彼らはやってくる」という天の声に従い
トウモロコシ畑をつぶして、ナイター設備付きの野球場を作ってしまう。
その野球場に1919年の八百長事件に巻き込まれた選手(幽霊)らが集まってくる。
シューレス・ジョーをはじめとする有名選手もやってくるが、
周囲の人間には、それが見えない。
ただ、純粋な心を持つ主人公や、その家族には見えるのである。
シューレス・ジョーの熱烈なファンだった父親も現われて、
亡き父とキャッチボールをするラストシーンは、心に残ります。
愛する肉親との気持ちを、こんな形で見せてくれたこの映画。
感謝、感謝です。
がちゃん