🌱side
いつから私の世界に色がなくなったのだろうか。
いや、わたしは知ってる。
目を閉じれば鮮明に浮かび上がる両親の姿。
その辺に転がっているごみのような無惨な姿に鮮やかに広がる真っ赤な世界。
私にとって唯一色がある世界だ。
両親が亡くなってから私の面倒を見てくれている祖母の都合で、今日から新しい学校に通う。環境だけが変わり、わたしは何も変わらない。
ただ何も感じることなく、同じ日々を繰り返すだけなのだから。
新しい学校のクラスの先生に呼ばれて定型文の挨拶だけを済ます。先生に言われた1番後ろの窓際の席に向かう。
席に着く直前ちらりと視界の端に捉えた隣の席に座る幼い顔立ちの女の子。
この子との出会いが私の世界を大きく変えることになるとはまだ私は知らない。