日経新聞▼ フォルクスワーゲンEVシフトに誤算。

電気自動車への移行が車大手の重荷になってきたという記事です。ドイツのフォルクスワーゲンが、ドイツ国内で初めてとなる工場の閉鎖を検討していることを明らかにしました。2015年に発覚した排ガス偽装事件による落ち込みを挽回するため、経営資源を大胆に電動化に振り向けましたが、電気自動車の販売が伸びず、中国勢の台頭もありまして誤算が続きました。急速なEVシフトを修正すると言います。

2日、フォルクスワーゲンのCEOは危機意識を全面に出した声明を発表しました。声明では、ドイツ国内工場の閉鎖を検討する考えも示しています。特に製造拠点があるドイツは競争力の面で遅れを取っており、果敢に行動しなければならないと理解を求めました。工場閉鎖は常用者や部品など、ドイツ国内の工場およそ10箇所が対象です。このうち1箇所以上を閉鎖する可能性があります。ドイツ国内のグループ従業員30万人のうち、数千人単位の削減も検討します。工場閉鎖が決まりますと、1937年の創業以来初めてです。

フォルクスワーゲンがドイツ国内工場の閉鎖に言及したというこの事態についてですが、ヨーロッパ勢の戦略がうまくいっていないというニュースは結構ありますね。


そうですね。やっぱりそういうこともあってからの、中国のEVに対して関税をかけるという話も出てきていると思うんですよね。確かに中国は産業支援金などで市場競争ではありえないような値付けして、結果的に欧米の会社がやられるというのはもちろんあります。ただ、一方で冷静に考えなきゃいけないのは、やっぱりさっきの話も繋がるんですけど、これからはEVだと言って、そこに全力投球したツケが来たという感じですよね。

逆に言うと、日本はEVに全然乗れてないと散々批判されましたけど、今となっては結果的にハイブリッドとかでやって、遅れてたからむしろ儲かったという話になっているわけじゃないですか。この辺りが非常に経営者の難しいところですよね。

やっぱりそうですけど、全てが一筋縄ではいかないというのは、リスクもあるよなというところは今回感じますよね。このヨーロッパ勢のEV戦略と、日本が出遅れたと散々叩かれながらもハイブリッドで結果的に勝っているというのを見ちゃうと、やっぱりこう何でもかんでも経営者がこれだって1本足打法をするということの危険さを改めて実感しますね。

誤算だったのが世界的な電気自動車販売の失速です。ヨーロッパでは補助金の打ち切りが響き、ヨーロッパ31カ国の電気自動車の新車販売は、24年7月で前の年の同じ月と比べて5.9%減りました。ヨーロッパで首位のフォルクスワーゲンの打撃が大きく、1月から6月にヨーロッパで販売したEVは、前の年の同じ時期に比べ15%減少しました。フォルクスワーゲンの世界販売の35%を占める中国の事業環境は厳しく、BYDなど中国勢が躍進しました。中国市場の開拓で先行したフォルクスワーゲンは、2001年にシェア50%を超えて周囲を圧倒していたんですが、23年には14%まで大きく落としています。

日産自動車やホンダも中国での販売が振るわず、世界の車大手が消費者を中国勢に奪われています。BYDはヨーロッパにもEV工場の建設を決め、稼ぐ力を取り戻すにはコストの削減が欠かせないとも言われていますが、これを改めて電気自動車にどこまで期待すればいいのかということですね。


そうですね。ただ、中国に関税をかけても結局いろいろ迂回して安いのが入ってくると、欧州経済が良くないですから、

国民目線から見ればどこ産だろうが安いのが助かっちゃうわけですよね。そこがうまく流れとしてできていないなと思います。