日銀は31日の金融政策決定会合で、物価や景気をコントロールするのに使う政策金利の追加引き上げを決めた。政策金利に位置づける無担保コール翌日物金利の誘導目標を0~0.1%程度から0.25%程度にする。利上げはマイナス金利政策の解除を決めた3月以来となる。賃金引き上げの動きに支えられ、2%の物価上昇目標の安定的な達成に向かっていると判断した。
植田和男総裁が午後に記者会見し、政策判断の理由を説明する。日米の金利差が縮小し、外国為替市場の歴史的な円安ドル高局面が転換するかどうかも注目される。
生鮮食品を除く消費者物価上昇率は2年以上にわたって前年比2%を超えている。物価高を招く円安の是正を目指す政府与党から利上げを求める声が強まっていた。
政策金利が上がると変動型の住宅ローンの金利上昇につながり、企業は運転資金などを金融機関から借りる際の支払利息が増える。一方で預金の金利は上がり、受け取れる利息が増える。
円相場は7月上旬、一時1ドル=161円90銭台に急落。最近は151円台に急上昇する場面があった。
◆メモ参考
発表前の見立て。
▼日経新聞▼日銀が追加 利上げ検討0.25%に。日銀は今日の金融政策決定会合で追加利上げを検討します。
現在は0%から0.1%の政策金利を0.25%に引き上げる案が有力です。3月にマイナス金利政策を解除しましたが、賃金上昇などで物価と景気はなお上向き基調にあると判断したという風に出ています。国債の改額を減額する量的引き締めの具体策も決め、日本経済は金利ある世界へさらに一歩踏み込むという動きなのですが、これ、ただ正確に言いますと、森永さん、今日こういうこの話をするってことですヨネ。
なので、結論はまだ出ていないですが、一応、今日、正確に言うと、今日の朝の2時、深夜の2時に今からちょうど4時間ぐらい前に日経新聞がスクープみたいな速報みたいな形で記事のタイトルとしては、
「日銀が追加利上げ検討 0.25%」と書いているんですよ。
で、量的引き締めも決定へって書いてあるんですヨネ。
だから、普通、日経新聞って別にゴシップ誌とかじゃないわけですから、何の取材もしないで、誰と誰が不倫してますみたいな飛ばし記事を作るような媒体じゃないじゃないですか。ってことは、何かしら根拠がないと書けないわけですよ。
根拠がないのに書いたら、ただの飛ばし記事になっちゃって、当たればラッキーみたいな話になっちゃうんで。
ということは、そんなものを会合が終わる日の全然前の2時に出してるってことは、
いつも指摘してますけど、なんかリークとかあるんじゃないの、あったのではないかと。
リークがあること自体、おかしいですけど、
逆にリークがないのにこんなこと書けるのかっちゅう話で、なかなか難しいですから、やっぱやるのかなという話になっちゃいますヨネ。
で、今回の会合ではその国債の買い入れ額を減額するのは、前回6月の会合の時点で言っていて、
7月に具体策を出しますよって言ってたんで、それは全然折り込み済みなんですけど、
まさか利上げの話までもちあがるとは思いませんでしたが、
今のマクロ経済を考えると、このタイミングでそんな慌ててやる必要あんのかなって思っている中で、
深夜というか早朝って言いますか、2時にスマホにピンと速報が来たので、
いや、やるんだというちょっと驚きはあります。
今だから、そういうあの向きで皆さん見てるってことですね。けども、
でも本当に異常な事態だと思った方がいいですよ。この記事が。
だってこれ、プロ野球の試合が始まる、まだ試合が始まってないのに、なんか大谷翔平が1試合3本みたいな。
いやいや、まだ始まってないだろ、みたいな。例えとして分かりやすく言ったら、そういうことが起きてるわけで、
で、実際に3本打ちました、みたいな話になるじゃないですか。
でもそのレベルのことだと思いますけどね。
植田総裁は、6月の決定会合後の記者会見で、物価上昇が続けば政策金利を引き上げ、金融緩和度合を調整していくことになると指摘していました。3月のマイナス金利解除後も、日本経済は賃上げなどによる物価押し上げ圧力を保っていると。ただ、家計にとって金利の引き上げには追い風と逆風の両面があります。マイナス金利解除後、メガバンクや地銀は17年ぶりに普通預金の金利を引き上げました。住宅ローンの金利がとマイナスの影響が出るわけですが、家計全体で見れば預金が借入れ金を上回り、日銀関係者は家計全体では差し引きでプラスになると見ています。
本当ですか? これ絶対おかしいと思いますね。例えば、その住宅ローンを組む人たち、もちろんどんな物件を買うかによりますけど、例えば、都内で5000万円で家を買いますってなかなか今難しいわけですよ、5000万って。
で、一方でその人が5000万円の預金を持ってますということであれば、分からなくもないけど、
預金がそれだけないからみんなローン組んで家買ってるわけであって。
そう考えると、なんかよくわからないですヨネ。
住宅ローンを組んで、しかも今75%以上の人が変動金利ですから、もう住宅ローン借りてる人は返済負担が上がるわけですヨネ。
じゃあその人たちが毎月の返済負担分、逆に預金には金利がそれだけつきますよってなるんですか? っていうと、なるわけない。あるとしたら、その住宅買った物件と同じ額かそれ以上の金額の預金があれば、そうだと思いますけど、いないでしょって普通に考えたら、
だからそこがどういうつもりでこういうなんか記事になるのかなっていうのは本当に不思議です。
◆
▼ここからは森永さんに日銀金融政策決定会合今日追加利上げ最終判断こちらについて伺います。
日銀の金融政策決定会合は、植田総裁と政策委員が出席し、昨日から始まっています。昨日は円安による物価への影響について話し合ったほか、実質賃金が26ヶ月連続でマイナスとなる中で、消費の動向などについて意見を交わしたとされています。まあ、こうした経済物価の情勢を踏まえ、今回の会合、今日は、利上げについて議論をするということなんですが、森永さん、これは改めてどうご覧になりますか?
そうですね、今回のポイントっていうのは、前回の6月の会合の時点でアナウンスした通りに、現在6兆円ぐらい買入れている国債をどう減額していくかという具体的な計画を出しますよ、と。
で、これに関してはもう前から言ってた話なんで、別にいいんですけど、
問題は利上げの話ですね。先ほど触れましたけども、今日の夜中に、もう決定したみたいな形で、日経の記事が速報みたいな形で出てましたけど、やはり、何の根拠もなく日経が飛ばし記事を書くとは、普通に考えたら思えないわけですよ。思えない、
で、そうなると、何かしらの情報が漏れている可能性があって、
そうであるのならば、利上げという話になるのかなっていうところなんですけども、
ただ、果たして本当にそこまで急ぐような話なのかというところは、疑問ですし、
仮に利上げという話になるんだったら、どういう根拠でやったのかというところをちょっと見たいなと思いますけどね。
で、日銀内部の政策委員の中には、利上げの検討が必要だという意見がある一方で、賃金や消費の動向などを慎重に見極めるべきだという声も聞かれています。その中で、植田総裁と政策委員で話し合うということなんですね。で、物価に関して言いますと、彼らは物価見ながらやっているわけなんで、酒類を除いた食料とエネルギーを除く総合、いわゆる欧米でいうところのコアCPIですね、コアCPI、欧米版ですけども、それを見ると、6月の全国版が1.99%のプラスで、こないだ出た7月の東京特部の速報値だと1.1なんですよ。
そこで見ると、もう2%の目標を下回ってますし、先ほどあった通り、26ヶ月連続でマイナスで実質消費指数、これも季節調整値見ると15ヶ月連続マイナス。で、内閣府が発表している13月期のGDPギャップもマイナスの1.4。需要の不足額も金額にすると8兆円。もともと6兆で発表されてたのが8兆円に修正されて、これでマイナスはもう3四半期連続で、過去22半期についても今回されてたので、まだそうやってマクロ指標を淡々と並べていくと、なんかもう急ぎで利上げしなきゃ、みたいなね、状況ではないんじゃないかなって。
むしろ、今の数字聞くと、これ利上げられないよねってことなんじゃないですかねと思いますけどね。
だから、その政策委員の中では、どれだけが利上げに賛成して、反対するかっていう、その数字も、
この後見ていきたいなと思いますけどね。今回もし、踏切、それこそ、何か数字も0.25とか出てきてますヨネ。
もしそれがそうなったとすると、住宅ローンの金利、企業への貸出し金利、外国為替市場にも影響を与える可能性があると。
なので日銀の判断が焦点となるということなんですね。
ただ、気になるのが、先ほど紹介したいくつかの指標を見ても、早急に金利を上げなきゃいけないみたいな状況ではないと。皆、今、寺島さんおっしゃった通り、その外国為替市場にも影響がみたいな話があって、
マクロの経済指標を見る限りにおいては、利上げを急ぐ必要はなさそうなのに急いでる、なんでなの?というのを考えた時に、
もし仮にこれが円安の是正のためなんだという話なんだとすると、
為替を見て金融政策をやるなんていうのは、あんまり見たことがないっていうか、
これは別にすごいやってますよと褒めてるんじゃなくて、呆れてるんですけど、為替見て金利動かしちゃうんだ、みたいな、そういうありえないぐらいのことをやろうとしてるって話になっちゃいますからね。
これどうなるんでしょう。
いずれにしても、今日の日経新聞の速報が、飛ばしなのかリークなのかっていう見物だなと思いますけど
、
そんな中、政府は、国と地方の、え、プライマリーバランスですね、基礎的財政収支が2025年度に黒字するとの試算を経済財政諮問会議で示しました。実現すると、1991年度、10.77兆円の黒字以来34年ぶりとなります。好調な企業業績による税収増が要因で、2002年に財政健全化目標として黒字を掲げて以降で初めてとなるということですが、このプライマリーバランス黒字、これはどうご覧になりますか?
う国家の財政というもの、家計の財政、家計の財政って言ったらですけど、家計簿的に考えてるのが異常だと思いますよ。
政府部門が黒字になって喜んでますけど、そう言い方を変えれば民間部門が赤字になってるよね、て話で。
それを目指して何になるの?というところをちょっと考えてほしいなと思いますヨネ。
今、森さんおっしゃったみたいに、だから国が政府が黒字になるって、民間がマイナスになってると。
そうしないとバランスが取れませんもんね。そこ、しっかり考えてもらわないと、何喜んでんだってことですね。