◆おまけ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」

 

 

 

 

 

ここからは、森永さんに日銀の植田総裁の案と追加利上げの圧力について話を聞きます。全国の主要100社を対象とした朝日新聞のアンケートがあります。金融政策の正常化を進める日本銀行の植田総裁の主案を評価する企業がおよそ6割という結果となりました。経営トップからは、利上げによる業績への影響は小さいとして、金融引き締めを慎重に続けるよう求める声が多く上がったと言います。

森永さん、この結果はどうご覧になりますか?


これどういう理由で金融の引き締めを続けてほしいのかが、いまいちよくわからないんですよ。

想像するに、円安が経営に悪影響を与えているから、利上げをして金利差を閉じて円安を是正してほしいって思ってるのかもしれないですけど、もしそれが発想なんだとしたら、そもそも金融政策に対する考え方が間違っているよっていうところからやり直す感じがしますけど。もちろん、企業経営と経済学の考え方っていうのは必ずしも一致するわけではないので、そう考えちゃう気持ちも分からなくもないですけども。ただ、その国の中央銀行のトップが顔を見て、金利の水準を決めるためだけに金利を上げ下げし始めたら、もうちょっとその国から脱出して他の国でビジネスをやった方がいいよと思ってしまうぐらい、悲惨なことだと思いますけれども。だからちょっと、いまいち金融を引き締めてほしいみたいな発想の経営者がいるっていうのが、よくわからないな、理解に苦しむという感じです。

この日銀の利上げによる自社経営の影響は、影響がないが38社、マイナスの影響があるが20社、プラスの影響があるが12社でした。借入れの利払いが増える懸念はあるわけですが、現時点で影響は限定的と見ているようなんです。でも、これ貸し手の金融機関には追い風となるでしょう。だから、これ立場によってもちろんプラスマイナスどっちが大きく出るかっていうのはあると思うんですよ。ただ、今の時点でそんなに影響が出ていないから金融を引き上げる方向、引き締める方向での動きは問題ないって答えてるのであれば、あまりにも安直ですよ。そもそも、金融政策、財政政策ですらそうだと思いますけども、政策をやった瞬間に即実効で効果が出るわけじゃなくて、やっぱりその効果が出るまでには半年とか1年とかってラグが出てくるわけなんですよ。だから、今の時点で特に影響がないからですって言ってる人は、あまりにもその視点がすごい近くしか見えていないなっていう風に思っていて、仮にこのまま利上げとかって話をどんどんやっていくと、今でさえ消費が弱っているのに、さらに弱くなるに決まってるんですよ。で、実際に昨日、なんか一部の銀行が住宅ローンの変動金利を上げますみたいなニュースが出ていて、それを元にいろんな人が0.1%上がると毎月の返済がどれぐらい増えるかシミュレーションをSNSで上げて、それが結構バズってましたけども。、当たり前ですけど、金利が上がるってことは、その上がり幅によって返済負担の上がり方も変わりますけど、いずれにせよ返済負担が上がったりするわけであって、商品にとってプラスになることはまずないです。で、それが遅れて出てくるわけです。それが会社経営に影響がないって言ってる人たちは、どういう考えで言っているのかなっていう気がしますよ。

この後ですが、今後の金融政策について尋ねると、利上げなどの金融引き締めを進めるべきだとの回答が42社に登って、去年と同じ時期の調査の25社から増えました。先ほど森永さんからもご指摘ありましたけど。だから、そもそもアンケートってのは主要100社って書いてあるので、どうせ大手しか聞いてないんだろうし、中には金融機関が入ってたりすると思うんですよ。だから、そういう回答になったりするのかなって思うんで、まあこれ一部メディアがやっているだけなので、正確に本当のアンケート全体というわけでもなく、多分規模別とか業種別でアンケートを取った方がより実態が分かるのかなっていう気がしますけど。

ところで、日銀の上山大阪支店長は、国債買い入れの減額の具体策を決める今月末の金融政策決定会合の重要性を強調しました。日銀は先月の決定会合で、現在月間6兆円程度で続けている国債の買い入れを減額する方針を決定しました。今月の会合では、減額の幅やそのペースを含めて今後1~2年程度の計画を策定するそうです。森永さん、これはどうですか?

うん、そうです、これは事前から植田さんが言っていた通りなので、むしろ今月末の金融政策決定会合のメインシナリオというか、1番の争点はまさにここです。どれぐらいの幅で発表されるのかっていうことがポイントかなと思います。幅によってはかなり金利の上昇幅が変わってくると思いますから、どれぐらいの減額になるかっていうのがポイントだと思います。今月末に関しては。

そして、今月末の日銀の会合への警戒感が一段と高まっています。先日の河野デジタル大臣が日銀に対して「上げを」との報道を受けて、日銀が今月、国債買い入れ減額と追加利上げを同時に実施するという見方も広がっているんですよ。これどうですか?

うん、これが結構個人的に気になっているところで、そもそも減額計画を具体化するっていうのは、植田さんが前から言っていたので、これが今月末の想定になるのは別に違和感ないんですよ。言っていたから前から。でも、なんかここ数日、同時に追加利上げするんだみたいな記事がいっぱい出てくるようになってきていて、そこが気になるんです。で、河野大臣の発言の報道もありましたし、なんかちょっと観測気球というか、追加の利上げも同時にやっちゃっていいですかっていう記事を出しながら、様子を見ているのかなっていう。よくこの消費状況でそんな話するねってびっくりしちゃいますけど。

自民党の木幹事長が公演で、日銀に対して円安の是正分かりやすい情報発信を求めたとも言われていますが、政治から独立した立場にある日銀の対応に関して、自民党の執行部幹事長として大の場でこういう発言が出たと。そうなんです。だから、続いているわけで、一方で岸田さんの逆風が吹いていて、総裁選どうなるんだみたいな記事も同時に出ているわけで、そこ対馬で出てくるのがまさにこの河野さんであり茂木さんなわけです。河野さん、茂木さんのこの発言を聞いてしまうと、岸田さん続投があまりそっちの方がいいんじゃないか説が出ている気もしますけど。いや、この状況において「利上げしろ」って言っている人たちが国のトップになっちゃったら、えらいことになると思いますけど。もっと広い視野で経済全体、国全体を見ろと思いますけど。普通に考えたらそうなるんじゃないですか。