◆米バイデン政権が中国と「ミサイル実験の相互通告」検討

内閣官房参与の宮家邦彦と数量政策学者の高橋洋一が1米バイデン政権が検討に入った米中間のミサイル実験の相互通告について解説した。

アメリカが中国とミサイル実験の相互通告を検討
飯田)バイデン政権が、中国とミサイル発射実験を事前に相互通告する仕組みをつくる検討に入ったようです。お互いに話し合うこと自体はいいことですか?


宮家)もちろんそうです。相互通告が問題なのではなく、これはあくまで入り口なのです。

いま中国の核戦力は急速に米露に近付いており、数百発だったところから、

おそらく1000~1500発まで増えると言われています。

飯田)核弾頭の数が。

宮家)そうなると、いままでのような米露の独占状態ではなく、三すくみになるのですよ。

ますます核の抑止が難しくなります。だからアメリカはいま、中国と核の問題を話したくて仕方がないのです。

昔の米ソのように安定を図りたいから。ところが、それを中国が拒否してきたので、アメリカは「検討している」と秋波を送っているわけです。中国がこれに乗るのであればまだいいけれど、乗らなければ危険な状態になる可能性があります。

危なくて中国への投資などできない
飯田)米中は経済でも角を突き合わせていますものね。

高橋)経済安全保障があるから、だんだん離れつつあるとは思います。日本企業だって、向こうに行ってしまったら社員が拘束される可能性があるのです。

飯田)アステラス製薬の社員が拘束されています。

高橋)投資どころではないですよ。以前から予想されていましたが、危ない状況になってきていますから。

飯田)一方で、習近平政権は「海外からの投資を呼び込みたい」と言っています。

高橋)無理だと思います。拘束された場合、普通の国なら捕虜交換のような交渉ができるけれど、日本はできません。いくらお願いしても帰って来ないでしょう。

カナダとの間とかは自分の国でスパイ防あればたくさん逮捕しといて
それで交換するってことあり得るんだけど
日本で全くないからあ交渉なんかできないです
それで投資するってってあの社員の安全は大丈夫ですかてつい言いたくなっちゃうけど
あれでこいって言われたって
だから現実にはすごくマイナスになってます
中国への投資は

 

台湾総統選 前回のようなミスを犯さぬよう巧妙に動く中国

内閣官房参与の宮家邦彦と数量政策学者の高橋洋一が台湾総統選について解説した。

台湾総統選まで1ヵ月、最大野党結束で追い上げ
2024年1月13日の台湾総統選まであと1ヵ月となった。与党、民主進歩党(民進党)の頼清徳副総統がリードしているが、対中融和路線の最大野党、国民党の侯友宜・新北市長が党内を固めて急速に追い上げ、接戦となる可能性が出てきた。同時に実施される立法委員(国会議員)選挙で民進党が過半数を維持できるかどうかも焦点となる。

飯田)来年(2024年)、年明けすぐに総統選があります。


高橋)ある人から台湾へ一緒に行こうと言われているのですが、どうなってしまうのか。心配ですよね。

飯田)結果次第ですか?

高橋)結果次第で日本の安全保障に影響してくるでしょう。
「台湾有事は日本有事」と言った安倍さんも、そういうことを見越して言ったのだと思います。連動しているのですよね。

前回のようなミスを犯さないように巧妙に動く中国
飯田)宮家さん、現在の情勢はどうですか?

宮家)もともと3すくみ、4すくみだったところを、与党・民進党の頼さんが少し抜け出した。
それに対して、4位は置いといて、2位・3位の野党連合で巻き返そうとしたのですが、目論見は失敗しました。
失敗したけれども、国民党の侯さんが巻き返している。正直言ってわかりません。
変な言い方ですが、日本よりもはるかに民主的なところがあって、本当に拮抗しているから。
ただ、いままでの台湾選挙を見ていると、拮抗するのだけれど、中国が対応を間違え、進歩系が勝ってしまうというケースが何度かあるわけです。例えば、李登輝さんが出てきた最初の民選で中国がミサイルを撃ってしまったため、李登輝さんが勝ったのです。蔡英文さんだって、
前回の選挙は本当に接戦でした。しかし、中国が香港で締め付けを厳しくしたために抗議デモが起き、彼女が勝ったのです。
おそらく今回中国は同じようなミスをしないよう、巧妙に動いていると思います。つまり非常に見にくく、わかりにくい。
ただ、普通は2位・3位の候補が統一できなかったとなると、野党系は割れるから、本当は与党に有利なのです。
しかし、わかりません。

日本への影響力も大きい注目すべき総統選
飯田)2位・3位連合、国民党の侯友宜氏と民衆党の柯文哲氏を一本化しようとして、一本化するところまでは合意したけれど、「誰がトップに立つか」というところで揉めた。

宮家)それは合意していないということです。

飯田)結局は最後までは詰められなかった。
そして4位というお話がありましたけど、選挙戦からは撤退した形になっていますが、
鴻海精密工業の創業者である郭台銘(テリー・ゴウ)氏もいました。この方は一定の人気があるわけですか?

宮家)もともと中国に近いと言われていた人がこういう形で動き、逆に中国にとって不利な状況が生まれたのも事実です。
いい意味で民主主義が機能していますから、おそらく直前まで接戦が続くのだと思います。日本にとって注目すべき選挙です。


中国の選挙工作
飯田)中国の選挙工作があるのかどうか。前回の選挙でもそういう話がありました。
高橋)「工作がない」と前提を置く方が難しいです。
飯田)言語も同じですものね。
高橋)関係者も入り込めます。だから「何もしない」とは考えにくいですね。

宮家)ミサイルを撃つよりは、認知戦を行い、フェイクニュースやサイバー攻撃をかける方がはるかに効果的です。

いままさにやっていると思います。

飯田)以前の地方選挙でも、いろいろなことがあったと報道されました。
宮家)中国は必死ですよ。

中国からと思われる詐欺メールも日本語のレベルが上がっている
高橋)日本でもやっているでしょうね。
宮家)やっていますよ。
飯田)かつては言語の違いがあるから難しいなどと言われていましたが。
高橋)いまは関係ないですね。
宮家)たまに中国から発信される変なメールが届きますが、最近は偽メールの日本語が上手になっています。
フォントもしっかりしているし、「普通だったら間違えるだろうな」というレベルまで上がっている。

飯田)昔は、部首の使い方などでわかりましたね。
宮家)フォントや文法が違ったりしていましたが、いまは見事ですよ。気を付けないといけません。
飯田)AI技術なども入っているのでしょうか?
高橋)私は解析で発信地までわかるため、全部排除しています。表面上はわかりません。
以前は見るだけですぐにわかったけれど、いまは内部を解析しないとわからなくなってきています。

サイバーも「やられてもやり返さない」日本
宮家)恐ろしい時代になりましたね。こちら側もやれたらいいのだけれど。
高橋)そのためにデジタル庁をつくったのだと思っていましたが、そうではないのですね。
宮家)安全保障の発想はありません。
高橋)変なものを推奨したりしています。

宮家)安全保障が「スコン」と抜けている。
企業の利益、技術や情報をどう守るかについては一生懸命なのですが、国益をどう守るかという視点が抜けていると思います。
飯田)「アクティブディフェンス」などと言いますよね。こちらから情報を取りにいき、策源地を先に叩くとか。
宮家)日本はサイバーでも専守防衛なのですが、それではダメです。
飯田)専守防衛、やられたらやり返すというような。
宮家)やられてもやり返さないし、守るしかないわけです。やり返すのであればいいのですよ。
飯田)やり返せば抑止力になりますが、そこまでいかない。
宮家)守るだけです。それだと、やったもの勝ちではないですか。

憲法の「通信の秘密」とバッティング
飯田)サイバー空間で情報を取るにも、憲法の「通信の秘密」などとバッティングするというような話を聞きます。

宮家)その通りです。だから根は深いのです。

高橋)海外では関係ないのにね。民間であれば、専守防衛でも仕方ないけれど、政府は違うでしょう?

飯田)「情報空間にまで国境が」というような話はありますが、本来はないですよね。ないけれど、やはり憲法を守る形で動いてしまう。

宮家)清く正しく美しいだけではダメです。

飯田)平和を愛する諸国民なだけでは。

宮家)平和は愛しますけれどね。

◆おまけ

『呪術廻戦』来年完結、作者が示唆「連載中でのジャンフェスは多分絶対これが最後」

 

 

 漫画『呪術廻戦』の作者・芥見下々氏の直筆コメントが16日、千葉・幕張メッセで行われた「ジャンプフェスタ2024」ステージイベント内で公開され、「呪術廻戦が連載中でのジャンフェスは多分絶対これが最後です」と2024年に物語が完結することを示唆した。この発表に会場からは「えーっ!?」と驚きの声があがった。


 また、2024年1月4日発売のコミックス第25巻をもってシリーズ累計発行部数が9000万部(デジタル含む)を突破することが発表。

 さらに、ステージイベントでは2024年夏に「芥見下々『呪術廻戦』展」が、渋谷ヒカリエで開催されることも発表され、作品のストーリー上でも重要な場所・渋谷にて開催される展覧会となる。

 2018年3月より『週刊少年ジャンプ』で連載がスタートした『呪術廻戦』は、ある強力な「呪物」の封印が解かれたことで、高校生の虎杖悠仁が、呪いをめぐる戦いの世界へと足を踏み入れるダークファンタジー。

 連載を決める会議で、オリジナリティーのあるストーリー、キレのあるせりふ、独特のキャラクター造形などが評価され、“編集部が満場一致で連載決定した”というエピソードを持つ連載当初から注目を浴びた作品となっている。

 テレビアニメ第1期が2020年10月~21年3月に放送され、2021年12月には劇場アニメが公開され興収138億円を突破する大ヒットを記録。2023年7月よりテレビアニメ第2期が放送中。

■芥見下々氏コメント(「ジャンプフェスタ2024」内で公開)
呪術廻戦が連載中でのジャンフェスは多分絶対これが最後です。
来夏には原画展が控えています。原画展といっても、呪術はデジタル原稿です。
どーなっちゃうの?と大人達と話し合った結果、ネームや下書きなど、残っている素材を活用し「なんか私にも漫画描けそう!!」と思ってもらえる展示を目指そうということになりました。大勢の大人に試行錯誤してもらっている最中です。頑張れ大人!!みんなも来てね~~。