「心身ともに限界…」宝塚歌劇団「雪組」トップスターが“過呼吸”で公演中断トラブル「多くの生徒が劇団の不誠実な対応に深く傷ついている」

 


 9月30日午前7時ごろ、兵庫県宝塚市のマンションに住む宝塚歌劇団宙組の劇団員・有愛きい(25)が、マンション敷地内で死亡しているのが見つかった事件。

 劇団は11月14日に弁護士による調査報告書を公表。有愛が上級生から叱責を受けていたという事実は認めたが、「社会通念上、不相当とはいえない」と結論づけ、有愛の遺族が訴える「上級生からのパワーハラスメント」は認められなかった。

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  一方、12月5日には宙組の東京公演全日程を中止すると発表。同日、12月1日から開始された雪組公演で「事件」が起きていたことが 週刊文春 の取材でわかった。劇団も小誌の質問に事実関係を認めた。

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雪組の公演が途中で45分間中断
 12月1日、宝塚大劇場で雪組公演が始まった。初日の終演後、トップスターの彩風咲奈は声を詰まらせながら「千秋楽まで元気に駆け抜けて参りたいと思います」と決意を語った。

 だが、彼女は心身ともに限界を迎えていた。12月5日、公演開始から70分後、突然緞帳が降り、45分間も中断された。舞台裏で一体何が起きていたのか。

「彩風さんが過呼吸に陥ったのです。多くの雪組生が有愛さんの死と劇団の不誠実な対応に深く傷ついている。心と身体に鞭を打って舞台に立ち続けているのです」(雪組関係者)

宝塚歌劇団に事実関係を問い合わせると…
 週刊文春では、劇団員への心のケアが不十分であることを問題視した彩風が二度にわたり劇団幹部に「いったん立ち止まるべきだ」と直訴していたことを報じてきた。

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 同日夜に宝塚歌劇団に事実関係を問い合わせたところ、

「舞台上のトラブルにより公演が中断されたことは事実です」

 と回答した。

 12月7日(木)発売の「週刊文春」および12月6日(水)12時配信の「 週刊文春 電子版 」では、宝塚問題の根底にある「宝塚のドン」とその妻の「劇団支配」について報じる。夫妻による劇団私物化、「この娘を使って」などと言う妻による配役への介入、そしてドンに配慮し、公演再開を画策し続けた劇団の「構造的問題点」に切り込んでいる。

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 今回の事件について情報を募集しています。文春リークスまで情報をお寄せください。

 文春リークス: https://bunshun.jp/list/leaks 

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【厚生労働省のサイトで紹介している主な悩み相談窓口】

▼いのちの電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)、0120-783-556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)

▼こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)

▼よりそいホットライン 0120-279-338(24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは0120-279-226(24時間対応)

「週刊文春」編集部/週刊文春 2023年12月14日号