◆団員急死で揺れる宝塚、花組全国ツアー開幕 木場理事長が開幕前に謝罪

25歳団員転落死で揺れる宝塚歌劇団は17日、大阪・梅田芸術劇場で、花組全国ツアー「激情-ホセとカルメン-」「GRAND MIRAGE!」をスタートさせた。


 開演に先立ち、木場健之理事長が舞台の端に立ち、謝罪した。

 スーツ姿で、まずは開演時間30分遅れたことを詫び「現在の宝塚歌劇団の状況につきまして、皆様方にたいへんご心配をおかけしておりますこと、重ねて心よりお詫び申し上げます」と言い、深々と頭を下げた。

 続けて「全国で宝塚を楽しみに待ってくださっているお客さまに最高の舞台をお届けしようと、生徒たちは懸命に稽古に取り組んでまいりました。生徒たちの舞台にかける熱い思いをぜひ受け止めていただけますよう、お願いいたします」と客席に呼びかけた。

 今ツアーは花組の人気スター永久輝せあが主演。専科の凪七瑠海らも含めて、花組を中心に35人が出演し、12月12日まで全国9カ所を回る。

 同劇団では9月30日に25歳宙組団員が転落死。遺族側は、10日に代理人弁護士が都内で会見し、団員死亡の背景にパワハラがあったと指摘。劇団側は14日に宝塚市内で会見し、背後関係について、外部の弁護士チームの調査報告として、いじめやパワハラは「確認できなかった」としている。

 

調査依頼の弁護士チームに親会社の社外取締役が所属…宝塚歌劇団「いかなる関係もございません」

 

 宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の宙組娘役(享年25)が転落死した問題で17日、歌劇団が14日に概要を公表した調査報告書をまとめた大阪市の弁護士事務所に、歌劇団を運営する阪急電鉄のグループ企業の役員が所属していることが分かった。

 調査した法律事務所所属の弁護士の一人が、阪急阪神百貨店の親会社「エイチ・ツー・オー(H2O)リテイリング」の社外取締役で「監査等委員」を務めている。

 調査の中立性・信ぴょう性に疑問が生じるが、歌劇団はこの日、書面で当該弁護士について説明した。

 歌劇団は生徒が亡くなった経緯などの調査のため、10月に外部のチームに調査を依頼。「当団とは独立した中立・公正な立場で客観的な調査を行い、調査チームのみの権限で事実認定を行い、有利不利にかかわらず、事実評価・分析及び提言を行うこと」「当団は調査に全面的に協力すること」「当団は、外部調査チームに対して当該資料・情報等の開示・提供を求めないこと」などを条件とした。

 歌劇団は「当団や阪急電鉄と関係のない弁護士事務所であり、かつ関西でもトップクラスの事務所であり、十分に信頼もおけることから、調査を依頼いたしました」と説明した上で、歌劇団と法律事務所は「顧問契約はもとより、当団や阪急電鉄としてもいかなる関係もございません」と強調した。

 H2Oに関わる当該弁護士については「当団としても把握はしておりますが、同社は上場しており、当団や阪急電鉄とは独立した企業であり、かつ当該弁護士は同社の独立社外役員として独立した立場にある者です。さらに、当団は当該弁護士を外して調査することを依頼しており、同弁護士事務所からも調査報告書の検討・作成には当該弁護士は関与しておらず、法律事務所内でも情報遮断措置をとっていると聞いています」と調査には関わっていないことを説明した。

報知新聞社

 

◆4人の聞き取り辞退が波紋 宝塚、調査手法に疑問の声

 

宝塚歌劇団の俳優の女性(25)が急死した問題で、歌劇団が14日に公表した調査報告書の内容を巡り、女性が所属していた宙組の俳優4人が聞き取りを辞退したことがインターネット上で“炎上”していることが17日までに分かった。辞退した理由に関する臆測のほか、調査手法への疑問の声が噴出している。

 歌劇団の木場健之理事長は会見で、女性を除く宙組の俳優66人のうち、4人が聞き取りを辞退したと明かし、理由については「ご容赦ください」と詳しい説明を避けた。女性の遺族側は過重労働とパワハラが原因の自殺だと訴えており「4人はパワハラに関係している人だろうか」などの批判が相次いでいる。

 

◆団員転落死の宝塚 雪組宝塚大劇場公演12月1日から上演へ 中止期間は30日まで延長

 

宝塚歌劇団は17日、上演を取りやめている雪組「『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』-Boiled Doyle on the Toil Trail-」「FROZEN HOLIDAY(フローズン・ホリデイ)」の兵庫・宝塚大劇場公演を、12月1日から上演すると発表した。

 ここまで、23日までの公演を中止しているが、中止期間を30日まで延長し、上演を決定。「ご観劇を心待ちにしておられたお客さまには、大変ご心配とご迷惑をおかけいたしますこと、心よりおわび申し上げます」とした。

 同劇団では9月30日に25歳宙組団員が転落死し、当時上演中だった宙組公演について、10月1日から宝塚公演の全日程を中止。続く雪組公演も、11月10日の開幕予定を遅らせ、23日までの上演を取りやめていた。

 遺族側は、10日に代理人弁護士が都内で会見し、団員死亡の背景にパワハラがあったと指摘。劇団側は14日に宝塚市内で会見し、背後関係について、外部の弁護士チームの調査報告として、いじめやパワハラは「確認できなかった」としていた。

 雪組公演は、宝塚大劇場で12月13日まで、東京宝塚劇場では来年1月3日~2月1日までの予定になっている。

 

「恥ずかしいと思わせないで」宝塚 新理事長の遺族への呆れた“証拠見せて”発言にファンも大激怒

 

11月14日、宝塚歌劇団が、9月に急死した劇団員のAさん(享年25)についての調査報告書を公開し会見を行った。取り沙汰されていた劇団内のパワハラやいじめはなかったとし、過重労働が心的負担になり死去の原因となった可能性があると発表した。

【写真あり】女性団員が急死した問題で、記者会見する宝塚歌劇団の木場健之前理事長

発端は、今年2月の『週刊文春』による、Aさんが上級生からヘアアイロンを故意に額に押し付けられたという報道。このときから劇団は、一貫していじめの事実を否定している。

Aさんが9月30日に自宅マンションから転落死したあとも、劇団は哀悼の意を示すのみで、公演の開催の有無についてのアナウンスを繰り返すばかり。Aさんが亡くなってから一週間経過した10月7日に、ようやく同劇団は、記者の質問に答える形で会見を開き、第三者チームによる調査を開始することを発表した。

「調査チーム立ち上げの発表も、世間からの批判が高まったタイミングで行われたような印象で、当時も劇団側の対応が後手後手に回っていると批判が上がっていました。

その調査中にも、“上級生からの指導”と称してパワハラが行われていると卒業生の東小雪さん(38)が証言し、様々な週刊誌もハラスメントについて新たな情報を報じ、劇団内部にはいびつな上下関係が存在していることが浮き彫りに。”隠蔽体質”と指摘されている劇団側の都合によらない、真相究明が待たれていました」(舞台関係者)

しかし今回の会見でも、「ヘアアイロンで火傷をすることは劇団内では日常茶飯事」などとコメントし、パワハラの事実については終始認めず。具体的な体制の変更は示さないまま、公演を続けていく方針であると発表。さらに、同日に会見を開いていた遺族側がヘアアイロンの件に再検証を求めていることを問われた際に、新理事長に就任予定の村上浩爾取締役(56)が「証拠となるものをお見せいただくようにお願いしたい」とまで発言したのだ。

後手後手の対応を続けた挙げ句、遺族側に“証拠”の提出まで求めた宝塚歌劇団の対応には、批判が殺到している。

《あの会見で阪急側から遺族とは向き合う気はサラサラなく、今後の歌劇団の在り方を変える気が全くない誠意が全くない事がわかった。時間がかかってしまうのは気の毒だが司直の手に委ね重い扉をこじ開けるべきかと》
《宝塚歌劇団の会見をすべてみました。宝塚ももう終わりだなと思う。過重労働はみとめたものの、いじめ、パワハラはないものとされた。人の命が失われたことを全く感じさせない冷酷な会見だった。最後の遺族側の主張と違うと指摘されたときの「証拠を出していただきたい」という言葉がすべてだろう》

当初は劇団側の動向を見守っていたファンも、一連の不誠実な対応に不信感が高まっているようだ。

《盲目的なファンばかりではないということ、劇団側は認識して欲しい。余裕でいられるのも今のうち。存続の危機が訪れる日は近いかもね》
《宝塚という組織については私は好意的な方だけど記者会見でのこの組織の保身や隠蔽体質については世間の反感を持たれてもしょうがないと思うな。組織の改善の余地を放棄してるわけだし。宝塚内部のいじめは以前からあったのにパワハラは有りませんとか言われてもな》
《記者会見が酷すぎて、宝塚のXでの宝塚情報アカウントのフォローを次々と外している。
こんな状況で、宝塚を観たいと思えない。こんなことになってしまって悲しいよ。こんなに大きな劇団なのに、パワハラ教育もされない、スタッフも足りない、全て役者のやる気の搾取だけで成り立ってるのありえない》
《保身ではもう生徒は守れません。 良識あるファンに、宝塚ファンであることを恥ずかしいと思わせないでください。異常な集団だと既に思われてます。 厳しい練習とパワハラは全く違います》