〈タカラジェンヌ転落事故〉“いじめ報道の先輩”の出演舞台に「自死の演出」 ファンの動揺と“宝塚の見解

 

 

 9月30日、25歳の現役タカラジェンヌが兵庫県宝塚市の自宅マンションから転落死したという出来事が起きた。“清く正しく美しく”がモットーの宝塚歌劇団。宝塚音楽学校の入学試験のために養成校に通ったり血のにじむような努力をし、入学後も厳しいレッスンに耐えながら卒業して初めて、宝塚歌劇団の舞台に立つことができる。“タカラジェンヌ”は、その狭き門をくぐり抜けた選ばれし人材だ。いったい何があったのだろうか──。

 転落死したのは、9月29日から始まった宙組公演『PAGAD(パガド)』『Sky Fantasy!』にも出演する予定だった、宙組所属・娘役の有愛きいさんだ。彼女の転落死を巡って、ネットでは悲しみの声や公演に対する心配のコメントが溢れている。

 一方で、同時に掘り返されたのは、過去に報道された“いじめ疑惑”だ。実は今年2月に、『週刊文春』で“歌劇団内の上下関係トラブル”が報じられていたのだ。

いじめ疑惑は改めて否定されて……
「記事の内容は、宙組の先輩が同じ宙組の娘役である後輩の額に、高温のヘアアイロンを押し付けるなどのいじめがあったというものでした。そして過去の配役などから、このいじめ被害者が有愛きいさんであることが話題になり、宝塚ファンからは動揺する声が寄せられていました。これについては当時、宝塚歌劇団の公式ホームページで《事実に反する内容をあたかも真実であるかのように報道され、当事者および関係者が多大な精神的苦痛を被っている》と強く抗議。しかし、どうしても今回の転落死といじめ報道を結びつけてしまうファンも多い」(芸能ライター)

 10月7日、歌劇団メンバーの転落死を受けて開かれた会見では木場健之理事長が出席し、弁護士軍団による調査チームを立ち上げたことを発表。

「調査チームが必要とすれば(宙組以外にも)広げていくことも考えていく。調査するのと精神的なケアをするのと相反する事象なので、ゆっくり時間をかけて進めていかないといけない」

 さらに、いじめ疑惑報道にも言及し、改めて否定した。

「両者にまた周囲の人々にヒアリングを重ねていて、その結果、(ヘアアイロンが)誤って当たってしまったということはあったが、(いじめの期間が)長くとか報道されているような書き方、非常にそれが歪曲した表現で書かれているので、そういったことに関しては否定させていただいている」

「本人たちも『そんなことはなかった』と。ただ、当たったという事実はあったので、そこは確認している」

 この会見と同日、宝塚歌劇団はホームページで、兵庫宝塚劇場での宙組公演『PAGAD』『Sky Fantasy!』は10月1日から22日までの公演、19日の新人公演の中止を発表した。24日以降の公演実施については、20日中に発表するとしている。

 また、同公演は11月25日から12月24日に東京宝塚劇場での公演が決まっており、宝塚友の会では10月8日より申し込み開始、一般前売は10月22日から始まることも記載されているが、ある舞台関係者が問題視するのは、『PAGAD』の脚本の内容について。

 

主要キャストが“自死する描写”があって──
「この舞台には、主要キャストが“自死する描写”があるんです。当然、転落死と重ねてしまうファンも少なくないでしょう。また、同公演にはいじめ疑惑に関与したと実名で報道されたメンバーも出演予定です。いじめに関しては宝塚歌劇団は否定しているものの、記事に書かれたタカラジェンヌはいまもネットでバッシングされてしまっています」(舞台関係者)

 公演に関して現時点では、公演内容や出演者の変更は発表されていない。宝塚ファンは公演内容に関するお知らせがないまま、公演が再開することに戸惑いが隠せないようだ。

「え、東京公演は続行するの? 演出や演目も変えないまま? 『PAGAD』の初っ端の自死演出どうするんだろう……」

「ファンとしては複雑だけど、さすがに宙組の娘役が当事者だから、公演内容を変えないわけにはいかない気がする。『PAGAD』演出変更しないならしないで、理由も含めてきちんとお知らせしてほしいな」

「いじめ疑惑で名前が上がってた団員の人って『PAGAD』にも出演してるよね。宝塚は否定してるのに、バッシングされててかわいそう」

「やっぱり、急死の経緯に関する調査が完全に終わるまで、一旦公演はお休みのほうがいい気が……」

 そこで、『週刊女性PRIME』は、今後の公演について問い合わせてみたところ以下のような回答があった。

 宙組公演『PAGAD』の公演内容については、

《公演内容の変更につきましては、現在検討中でございます》

 また、出演者の変更の有無については、

《現在出演者に予定の変更はございません》

 果たして、今後の公演はどうなるのだろうか? 時期が時期なだけに、ファン・出演者の精神面を配慮した決断をしてほしいものだ。宝塚歌劇団からの続報が待たれる。
 

【悩みを抱えている方は厚生労働省が紹介している相談窓口をご利用ください】 いのちの電話 0570-783-556(ナビダイヤル)/0120-783-556(フリーダイヤル・無料) こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556 #いのちSOS(特定非営利活動法人 自殺対策支援センターライフリンク)0120-061-338 よりそいホットライン(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター)0120-279-338

 

【宝塚“壮絶いじめ”真相】転落死したタカラジェンヌが苦しめられていた“文春リーク説”

 

 

9月30日、宝塚歌劇団入団7年目で、宙組に所属する娘役の有愛(ありあ)きいさん(享年25)がマンションから転落死した。
 
 この転落死の背景の1つには、8か月前の報道があったとみられている。『週刊文春』(2023年2月9日号)は、宙組所属の娘役・天彩峰里が、ヘアアイロンを押し当てて後輩の額をやけどさせたなどの「いじめ疑惑」を報じた。

「記事中では被害者は“Aさん”と匿名になっていましたが、それまでの公演の役どころなどから、“Aさん”が有愛さんだということは容易にわかる書き方でした」(宝塚関係者)

 内容は苛烈の一言だ。

《額にじゅくじゅくと水膨れになるほどのヤケドを負い、長い間、ミミズ腫れのような傷が残ってしまった》
 
 このとき、宝塚歌劇団は《全くの事実無根》と否定した。

 有愛さんの死去直後に発売された『週刊文春』(2023年10月12日号)は、Aさんが有愛さんであったことを明かしたうえで、彼女を追い込んだのは、歌劇団内にはびこる壮絶ないじめが原因だったと伝えた。

 また、2月の報道直後から始まった、執拗な“犯人捜し”に有愛さんは苦しめられていたという。
 
「有愛さんは“やけど事件”があった当初から、“大ごとにはしたくない”と学校側に被害を訴え出ることさえしていませんでした。ところが記事が出たことで、周囲から、被害者である有愛さんが“週刊誌にリークした犯人”という目でみられることで、さらに深刻に悩んでしまったようです。
 
 しかも、宝塚内部では“やけど事件は話が飛躍している”と捉えていた人も少なくなかったので、わざと大げさにリークしたのではないのか、という疑いの目まで向けられることになってしまった」(別の宝塚関係者)

 有愛さんが亡くなった後の会見で歌劇団の理事長が、“故意ではないが当たったことはあると聞いている”という旨の発言をし、「やけど事件」が実際にあったことは認めたものの、そのやけどの程度がどれほどのものだったか、故意だったのかどうかは、いまでもはっきりしない。
 
 10月19日発売の『女性セブン』では、「宝塚歌劇団『密告犯は別にいる』いじめ自殺全真相」とのタイトルで、有愛さんではなかった文春の情報源、宝塚歌劇団にはびこる「壮絶いじめ」の実態などについて詳報している。

 

◆おまけ

「空」と君のあいだに 中島みゆき

君が涙のときには 僕はポプラの枝になる
孤独な人につけこむようなことは言えなくて
君を泣かせたあいつの正体を僕は知ってた
ひきとめた僕を君は振りはらった遠い夜

ここにいるよ 愛はまだ
ここにいるよ いつまでも

空と君とのあいだには今日も冷たい雨が降る
君が笑ってくれるなら僕は悪にでもなる
空と君とのあいだには今日も冷たい雨が降る
君が笑ってくれるなら僕は悪にでもなる

君の心がわかる、とたやすく誓える男に
なぜ女はついてゆくのだろう そして泣くのだろう
君がすさんだ瞳で強がるのがとても痛い
憎むことでいつまでもあいつに縛られないで

ここにいるよ 愛はまだ
ここにいるよ うつむかないで

空と君とのあいだには今日も冷たい雨が降る
君が笑ってくれるなら僕は悪にでもなる
空と君とのあいだには今日も冷たい雨が降る
君が笑ってくれるなら僕は悪にでもなる

空と君とのあいだには今日も冷たい雨が降る
君が笑ってくれるなら僕は悪にでもなる