りんごの有機栽培の難しさ | 白山オステオパシー院長のブログ   東京都文京区 白山駅より徒歩3分

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りんごダイエットに使用するリンゴは本来は有機栽培のものが良い

のですが日本ではかなり入手が難しいので、一般に売られているものを

良く洗って食べるとよいと、前回書きました。

日本ではなぜ有機栽培のリンゴが手に入り難いかということですが、

これはリンゴが野菜やお米、あるいはみかんなどよりもはるかに有機栽培

するのが難しいからです。

「奇跡のりんご」で有名な木村秋則さんの本を読むとわかりますが、

リンゴには黒星病という病気が発生するために、通常は農薬を

使用せざるをえないのです。

この病気にかかると、リンゴは壊滅的な被害を受けます。

この病気の日本での発生は比較的新しく、記録によると昭和29年

札幌近郊のリンゴ園で始めて確認されました。

近くに米軍のキャンプ地があり、当時は植物検疫が不十分で恐らく

米軍の食料として持ち込まれた病斑のあるリンゴ又は箱に入っていた

罹病葉から広がったのではないかと言われています。

その後、この病気は全国に拡大しました。

木村さんは、それこそ命をかけて有機栽培りんごを実らせましたが

本人の信念だけでなく、家族や周囲の理解など多くの要素がうまく

重ならなくては、とてもできることではありません。

消費者は、なぜ農薬や化学肥料を辞めないのだと簡単に言うかも

しれませんが、農家自身も出来たものを売って生活していかなければ

ならないのですから、それほど簡単な話ではありません。

農家は時には一年間必死に働いて、結局最終的に赤字だったという

こともあるのです。

有機栽培という言葉を使いましたので、JAS有機認証制度について

少しだけ書きます。

農水省ではJAS有機認証制度を2001年から導入していますが、

これは当時、市場に出回っている農産物に基準のあいまいな有機、

無農薬などの表示が溢れたため、農水省が基準を明確にするために

制定した法律です。

現在の制度では、有機認証機関の認証を受けた圃場で栽培された

農作物でなければ有機栽培と表示することはできないため、木村さんの

栽培したりんごに有機栽培と表示することはできません。

あえて表示するならば、「農薬、化学肥料不使用」という表示に

なるかと思います。(木村さんの場合、有機JAS法で指定されている

特定農薬の食酢を防除に使用しているため、厳密に言うと農薬不使用

という表示も不正確になってしまいますが・・・。)

以前、農水省の検討委員会が有機栽培米で除草や害虫対策に使用する

アイガモを特定農薬に指定するかどうかという、意味不明な議論を

していたことがありました。

有機農業者の抗議により結局は指定されませんでしたが、農水省が

そのくだらない議論をしている時に有機農業者の間では、

「じゃあ俺たち有機農業やってる、おっちゃんやおばちゃんも

 みんな特定農薬だな。」

という笑えない笑い話がありました。

現在の日本の政治ではヨーロッパ諸国のように有機栽培面積が10%を

越えるなどということは、夢のまた夢です。









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