旦那は息子を溺愛していた。
息子を誇りに思っていた。
運動神経がよかった旦那。
何でもスポーツはでき誰からも慕われいつも周りには人がいた。
そんな旦那の血を引く息子。
小さい頃は喧嘩が絶えず友達のお宅に謝る事も多かったがみなさん「〇〇はいい子だから、知ってるから」と言ってくれた。
いつも周りには人がいる。
旦那は息子をスーパースターにでもしたかったのか、息子が保育園の頃から運動会ではリレー選手になって欲しい。
小学校最後の運動会では応援団長になって欲しいととにかく運動に関しては力一杯アドバイスしたり走り方を教えていた。
期待に応えてきた息子。
息子も旦那が大好きだった。
酒が原因で夫婦喧嘩が絶えず私が
「離婚したい」
「もう無理」
と言った時、
「何があっても父ちゃんは俺の父ちゃんだよ。
母ちゃんは父ちゃんが死ぬまでそばにいてあげて欲しい」
息子がそう言った。
涙が出た。
息子に弱音を吐いた事。
息子が私に言った言葉。
息子は旦那の味方だった。
でも、いつも私を気遣ってくれた。
息子は板挟みだった。
でも、息子が5年生の時、旦那が肋骨を折って酒浸りになり顔つきも性格も変わって行った。
息子も成長してそんな父親に対する思いも少しずつ変わって行った。