Kjさんからご質問頂きましたので、今回は(無謀にも)設計思想の分析をさせて頂きたく。
ご質問を引用させて頂きますと、「コンピューター同士で対戦させた時、攻撃力=ゲージの溜まり易さとなってなんかパワーのあるごつい選手ばっかり有利な気がしてました
あと必殺技を決めた後なかなかフォールにいかなかったりしてせっかく勝ってたのに逆転負けしてたりしてましたが2008ではどうなんでしょう?」と言うものです。
結論を申しますと、その傾向は悲しいことに2008でも同じです。
以下、2008と2007とついでにエキプロ5の違いを見てまいります。
まず、2007ですが、CAWには設定上、「Clean」か「Dirty」に分かれ、その上でA.I.設定として2段階の「COM思考」と言う基本的な方向性(戦略?)を定めることになります。これは元からあるスーバースターやディーバも同じです。
このCOM思考は「バランス」「ハードコア」「グラップル」「グランド」「ルチャ」「ストライカー」の6種類から2つ選択するのですが、これにより、技や動きの傾向が定まるわけです。
ところで、Kjさんが仰る攻撃力は2007ではスタミナと言う概念で表現されており、ごつい(あるいは強い)選手ほどこれが高く設定されています。このスタミナは技を掛けたり、走ったりすると消費されるのですが、元が高い数値であればあるほど減少する速度も遅くなります。そして重要なことですが、技を掛けられても減少はしません。
ですから、強い選手に対して、弱い選手が技を掛け続けてもダメージはほとんど与えられず、むしろ疲れるだけで、自滅すると言うようなことが起きてしまいます。
なお、このスタミナの数値は「OVERALL」として表示されており、CAWの場合は一律38からのスタートとなります。
このほかに、「モメンタム」と言う値が有り、ゲージで常に表現され、技を繰り出せば溜まる仕組みになっています。
以上、まとめますと、強い選手の場合は相手が散々技を掛けて必殺技を掛けてきてもフォールされるほどにはダメージを受けず、結局、疲れた相手を少ない手数で倒すことが可能になるシステムなのです。
で、2008を見ると、Fighting Styleと言う基本設定が設けられており、これは2007と同様2段階なのですが、「パワーハウス」「テクニカル」「ハイフライヤー」「格闘技」「サブミッション」「ダーティ」「ショーマン」「ハードコア」といった具合に、2007での設定が一本化されてしまっています。
しかし、スタミナやモメンタムの概念は2007とほとんど同じです。ちなみに「OVERALL」は35スタートで、いささか上昇しやすくなっているようです。
違うのは、ダメージの影響がエキプロ5の時のように細かく分離され、手足のダメージが「インタラクティブグラッブル技(派手な掴み技)からの脱出」に影響する点ぐらいです。
それゆえ言えることは、技の設定が2007以上に展開にやや大きく影響しています。
さて、エキプロ5がどうなっていたかと申しますと、根本的に異なっていました。
「ベースロジック」という基本設定は概ね2007と同じですが、スタミナの概念は無く、能力値とも言うべきアビリティを「攻撃の強さ」「関節技のうまさ」「打たれ強さ」「返し技のうまさ」「移動速度」に振り割ります。
ですから、それぞれのCAWにはっきりとした個性が生まれ、また、ダラダラした展開は無く、唯一、一瞬の隙とダメージの蓄積が勝敗を分けると言うものでした。
※ただし、スタミナ(回復可能)はありませんが、疲労(回復不可能)と言う概念が有ったようです。
私なりの結論なのですが、2008は2007に比べると、基本設定の影響が試合結果に与える影響はやや大きいように思います。その点、2008はシステムは違えどエキプロ5の雰囲気が有るかな?と思うのです。
ただ、本音を言えば、デザイナー氏には設計思想の点でこのスタミナの概念は放棄してもらわないとスピード感などまるで無く、今一度、エキプロ5に立ち戻ってほしいものだと、切に願う次第であります。