☆*:.。. 注!腐的妄想です .。.:*☆

 

 

 

 

 

木陰で爽やかな風に吹かれていると あっという間に汗も引いて

とても真夏とは思えない。

 

やっぱり東京の夏とは大違いだな。

 

アスファルトの照り返しと渋滞中の車から吐き出される排気ガス…

息苦しささえ感じる熱気に汗で濡れたワイシャツがまとわりついて

一日中不快感MAXだ。

思い出しただけでもウンザリして

長く島暮らしをしていると もうそんな東京に戻りたいとは思えなくなる。

 

「やっぱり島はいいですね〜」

 

「そうですか…意外ですね?

櫻井先生は元々は東京の人だって聞きましたけど

退屈な島暮らしで都会が恋しくなったりしませんか?」

 

都会が恋しく…かぁ〜

 

確かに出版社に勤めていた頃の日々は刺激的で楽しかった。

でも智と再会して 智と暮らす島での毎日は穏やかで満ち足りている。

人として 人間らしい生活っていうのかな?

蝉の声に起こされて 新鮮な美味いものを食べて

子供達と一緒に泣いたり笑ったり…

そして俺のそばには いつも智の笑顔…

 

これ以上の幸せがあるだろうか…

 

「東京は…もう遠い夢の世界みたいなもんですよ。

楽しかったですけど またもう一度あの中で…とは思えません。

小さな島の小さな学校で子供達の心の故郷になる。

そんな島の暮らしが俺には合ってると思っています」

 

「そうなんですか…」

 

風間先生が少し考えるそぶりをしてからニッコリと笑って

 

「良かったです。

櫻井先生で…」

 

ん?

 

「4月からこの島に来られるんですよね?」

 

え?

 

…なんでそれを?