☆*:.。. 注!腐的妄想です .。.:*☆

 

 

 

 

 

「ほら!もう少しですよ!」

 

「は、はぃ…」

 

はぁ…はぁ…はぁ…

 

島全体を…見渡せるところに…連れてってくれるのはいいけど…

はぁ…はぁ…

やっぱり…メシ…を食った直後は…止めておくべきだった……

見渡せると言うからには…高いところに…はぁ…上がると言う事で…

山に登るには…島が狭い分…坂道が急だ…

俺だって…島で暮らすようになって…

随分鍛えられた…はずなんだけど…な…

 

風間先生が5m先を歩きながら息も絶え絶えな俺を見て笑っている。

 

「あとはそこのカーブを曲がったら到着です」

 

あ…あとちょっと……

 

膝に手を当てて踏ん張りながら最後のカーブを曲がると

平に拓けた 展望台…と言うには素っ気無い広場があった。

 

つ…着いた〜!

 

肩で息をしながら風間先生の隣に立つと

弧を描く島の海岸線と青い海…水平線と空が広がって

360°の大パノラマだ。

 

「すげーっ!」

 

「すごいでしょ?」

 

自慢げな風間先生が

 

「この景色はどこにも負けないと思ってますよ。

観光客はほとんど来ない小さな島ですから

ここの景色を見られるのはここに住んでる島民だけの特権です。

遠足でここに来て食べるお弁当は最高ですよ」

 

遠足かぁ…

 

こんな真夏に山登りをしても木々が木陰を作ってくれて

海からの風が暑さを紛らわしてくれるくらいだから

春や秋ならさぞかし気持ちいい事だろう。

 

傍の木陰の草むらに腰を下ろしてペットボトルのお茶を飲む。

 

若干緩くなったお茶で喉を潤して

 

「気持ちいいですね…」

 

汗をかいた肌に風が気持ちいい。

 

「大変な思いをして登ってきたから余計にね。

でも流石ですね。

休憩しないで登ってきたのは櫻井先生が初めてです」

 

お!マジか?

 

でも…

 

「途中で餃子が出そうでした」

 

「あはは…僕もです。

大将がサービスしてくれるって言うんで ちょっと欲張り過ぎましたね」