☆*:.。. 注!腐的妄想です .。.:*☆

 

 

 

 

 

山田先生が桟橋入り口の駐車場に停まっている軽自動車を指差して

 

「あ、あの車なんで…後ろ開けますから荷物積んでください」

 

とハッチバックを開けてくれた。

 

荷物を積ませてもらって助手席に乗り込むと

 

「狭くて申し訳ありません。

この島はとにかく道が狭くて曲がりくねっているので

小さな車の方が便利なので…」

 

車を発進させると慣れたハンドル捌きで

狭い道を走り抜ける。

初対面の若い女性と肩が触れ合いそうなくらい狭い車の中は

沈黙していると何となく気まずくて

 

「井野山小学校の児童は何人くらいなんですか?」

 

教頭先生からの資料で概要は分かってはいるけれど

当たり障りのない話題を振る。

 

「学年で5人から10人弱です。

6年生が一番多いので卒業したら寂しくなってしまいます。

櫻井先生の学校は?」

 

曲がりくねった道でハンドルを切るたびに肩が触れそうになり

左側に身体を寄せて肩をすくませながら

 

「ウチの子供達は学年20人前後ですね」

 

「あ〜結構多いですね。

20人くらい居ると学年ごとのクラスになりますね。

ウチは2学年で一つの教室を使っています。

同じ敷地に中学校の校舎も在って、施設を共有しているんです。

運動会とか行事も合同のことが多くて…」

 

「そうなんですか…

それは縦の繋がりがあって小さな小学校ならではの長所ですよね」

 

「大家族の兄弟達みたいですよ?

…そこの角を曲がると学校の正門です」

 

両側に漁業を生業としている家々が続く狭い道を右に曲がると

急に視界が開けて右に『井野山小学校』

左に『井野山中学校』の看板を掲げた正門が見えた。