☆*:.。. 注!腐的妄想です .。.:*☆

 

 

 

 

 

井野山島の桟橋に降り立つとその島独特の香りがした。

 

 

俺たちが住む島よりも小さなこの島はフェリーの発着が無いから

乗り降りする人も少なくて 小さな桟橋は人影もまばらだ。

 

さてと…

 

降りる前に取り出して手に持っていた小学校への地図を

広げようとボストンバッグを下ろすと

 

「あの…櫻井先生ですか?」

 

と声をかけられた。

 

顔を上げると若い女性がニコニコしながら立っていた。

 

「井野山小学校に勤務しております山田と申します。

教頭先生から申しつかってお迎えにあがりました」

 

「え?…あ、はい。櫻井です。

3週間お世話になります。

お忙しい中、わざわざ迎えに来ていただいて恐縮です」

 

なんだ…若い先生も居るんじゃん…

「年寄りばっかりで…」と聞いていたから

ビックリしながらペコリと頭を下げる。

 

「いえいえ、今は夏休み中ですからノンビリしてます。

では、参りましょうか…」

 

と言うと

スーツケースにボストンバッグにビジネスバッグを持った俺を見て

 

「荷物…少し持ちましょうか?」

 

「あ、いえ大丈夫です!」

 

慌ててバッグを持つと山田先生がクスッと笑った。

 

 

物珍しげに周りに視線を回らしながら山田先生と肩を並べて歩く。

 

「島の感じはどうですか?

櫻井先生のいらっしゃる島と似てますか?」

 

「ん〜…そうですね…やっぱり似てますね。

全体的にコンパクトにした感じです。

あっちはフェリーが発着するので桟橋も長いし

港ももう少し大きいです。

でも…海から山にかけての雰囲気はすごく良く似ています」

 

眩しい青い空と緑の山々を見上げる。

 

 

ここが…

 

俺達が半年後に移り住む島…