☆*:.。. 注!腐的妄想です .。.:*☆
「ちゃんと野菜も食べるんだよ?
寝る時にお腹冷やさない様にね。
飲み過ぎにも気をつけて…」
3週間の出張に出発する俺を見送りに来た智は
まるで心配性なお袋みたいだ。
「大丈夫だよ。
それよりもオバちゃんの事、頼んだよ。
全部智に任せっぱなしでごめんな」
「そんな事…」
出発の時間が近づいて来て案内のアナウンスが流れ始めた。
「じゃぁ…行ってくる」
智に片手を上げると船に乗り込んだ。
飛行機みたいな椅子が並んでいる船内の窓側の席に座る。
外で立っている智に手を振ると 俺に気づいた智が駆け寄って来た。
窓が開けられないから声は届かない。
口だけ動かして「気をつけて」と言っている智に「うんうん」と頷いた。
エンジン音が大きくなって 最初はゆっくりと岸から離れると
一気に加速して海面を滑って行き あっという間に
窓の外に見えるのは一面の海になった。
朝、昼、夕方と島々を結ぶ高速船。
井野山島までは53分で着くことになっている。
思ったよりも揺れないし 本当に飛行機か新幹線に乗ってるみたいだな…
船内は夏休みに入ったばかりのせいか
地元の人と観光客がチラホラ乗っている程度で空席の方が多い感じだ。
落ち着いたところでパソコンを取り出して井野山小学校の
教頭先生から届いたメールの内容と添付資料を確認していると
あっという間に あと5分で井野山島に到着するとアナウンスが流れた。