☆*:.。. 注!腐的妄想です .。.:*☆





部屋の中をざっと片付けて外に出る頃には
東の空は暗くなってきていた。

鍵を閉めてバス停へと向かう。

黙り込んだまま大野さんの後ろを歩く俺に

「疲れたろ?」

大野さんが振り向いて俺を気遣ってくれる。

「あ…ぇ…えぇまぁ…」

「明日は確実に筋肉痛だな。
でも身体って慣れるもんだよな?
俺も始めた頃は身体のアチコチが痛くて
朝 起きらんなかったけど今は何ともねぇし」

「でも…俺はそんなに働いてないっすから…
なんか…すいません…
ほとんど役に立たなくて…」

一日中作業して…
結局 ビス穴を埋めるくらいしか出来なかった。
自分から手伝いたいなんて言ったくせに…

俺の方が本業に近いから 建築に対する知識もある。
何なら施工方法や細かい納まりなんかを
アドバイスしてあげられるかも…
そんな風に思っていたことが恥ずかしくて
自分が情けなかった。

大通りのバス停前で立ち止まった大野さんが
若干 うな垂れている俺を見て

「何言ってんだよ?
櫻井に手伝ってもらってスゲー助かったよ。
あの膨大なビス穴…俺一人じゃ一日で終わんなかったし。
今日 下塗りまで終わってれば明日には乾いてんだろ?
そしたらヤスリがかけられるべ?
確実に一日前倒し出来たよ。
それにビデオ撮るんだって一人じゃいちいち手を止めなきゃなんないし…」


確かに…
ビデオ撮りながら作業するのは面倒だよな…


それに大野さんが言う通り
一人の作業量としては今日中に下塗りまでを
全部終わらせるのは厳しかっただろう。

今日中に終わらなかったら
明日残りを一時間で終わらせたとしても
乾くまでの時間が必要だから
その日にヤスリはかけられない。


そっか…

そうだよな…

役に立ってたんだ…俺。

大野さんの言葉で凹んでいた気持ちが上向きになる。


「じゃぁまた手伝わせて貰ってもいいですか?」

あっという間に復活した俺に大野さんがニヤリと笑って

「今そんなこと言って明日の朝 後悔すんなよ」