※このお話しは嵐さんの活動休止について書いていますので

お読みになる方はご注意ください。

 

 

 

 

 

四人に最初に話した時は辞めるつもりだった…

 

二十年間…いや…ジュニア時代を含めるとそれ以上か…

俺の今まで培ってきたものを全部捨てる覚悟で

「嵐を畳もう」そう言った。

 

嵐を辞めて 事務所を辞めて 

今まで築き上げてきた生活に終止符を打つ。

嵐じゃなくなった俺には何も残らない。

この先の人生をまた一から作り上げる事になる。

 

自由な生活を手に入れたとしても

いつまでもフラフラと遊んでいる訳には行かない。

じゃぁその先には一体何が…?

 

何の見通しも無かったけど

メンバー四人 それぞれが思い描いている人生計画を

俺のせいで大きく変更せざるを得なくなるんだから

それくらいのリスクを背負う事は当然だと思っていた。

 

 

昔は…

ただ上手くなりたかった。

 

踊りも歌も…

がむしゃらだったジュニア時代。

 

思う様に踊れなくて

足の裏の豆が潰れるのも気にせずに

ただ ひたすら踊った。

 

自分の動きと理想のダンスが

ピタリと一致したと感じた時に

ここに居る意味がなくなった。

 

「もう辞めます」

 

そう言ったはずなのに何故か嵐になった。

 

アイドルになりたかった訳じゃない。

人前に出る事も 人前で喋る事も

意味もなく笑う事も苦手だ。

逃げ出したくなるくらい嫌だったけど

 

「グループを組んだからには自分の事よりも

先ずはメンバーの事を考えなさい」

 

社長に言われた この言葉だけは

裏切れなかった。

 

華々しくハワイでデビューさせて貰って

「その割には…」と言われる日々。

 

悔しかった…

 

人の評価なんて気にした事は無かったけど

あの頃はとにかく 

ただトップに立ちたい…

その事だけを考えていた。

逃げ出したいと思っていたことなど

思い出しもしないくらい無我夢中だった。

 

歌や踊りを極めたいと がむしゃらだったあの頃と同じ様に

ただ必死に目の前の仕事を全力でこなした。

少しずつ手応えを感じ始めた頃

松潤のドラマと映画の大ヒットが引き金になって

追い風が一気に俺達をトップの座に押し上げた。