※このお話しは嵐さんの活動休止について書いていますので

お読みになる方はご注意ください。

 

 

 

 

 

活動を休止するまでは

その先の事は何も考えられなかった。

 

休止を発表してからの約二年間は常に

今出来る事を精一杯やって

俺たちを支えてきてくれた全ての人たちに

今までの感謝の気持ちを伝えたい…

その事だけを考えて突っ走った。

 

活動を休止して抜け殻みたいな時間の中で

気づけば翔くんの事ばかり考えていた。

 

嵐が活動を休止したら

今までみたいに会えないんだな…

 

そんな当たり前のことにすら気づかなかった…

 

ずっと描きたかった絵を描いていても…

海の上で釣り糸を垂れていても…

 

何となく満たされない。

 

「智くん…今どんな絵を描いてるの?」

「智くん…今日はどうだった?釣れたの?」

「智くん…コレ何て魚?食えるの?」

「智くん…」

 

翔くんの声がこだまする。

 

ずっと一緒にいる事が当たり前だったから

翔くんが居ないと何だか物足りない…

 

飲みに行こうって連絡してみよっかな…

 

でもなぁ…

 

翔くんは俺みたいに暇じゃ無いし…

俺が誘ったら無理してでも来るからな…翔くんは。

やっぱ止めとくか…

 

頭の中の翔くんの笑顔を無理矢理追い払って…

何度も何度も追い払っているうちに幻覚が見えた。

 

『智くん、飲みに行かね?』

 

翔くんからのLINE。

 

目を擦って…

頬っぺたをつねって…

 

も一度見る。

 

『松潤から いい店教えて貰ったからさ』

『いつなら大丈夫?』

 

次々と浮かび上がる吹き出し。

 

嬉しくなって顔がニヤけるのが自分でも分かる。

 

ニヤけるのは分かるけど

なんで俺…ドキドキしてんだろ…

 

相手は翔くんじゃんか…

 

 

二十年以上も一緒に居た…翔くんじゃんか…