☆*:.。. 注!腐的妄想です .。.:*☆

 

 

 

 

 

「…怒っ…た……?」

 

絶句している俺の顔を翔が心配そうに覗き込む。

 

驚く事が多過ぎて怒ると言うよりは呆然としていた。

完全に思考回路がショートした状態だ。

 

だって…


翔が俺の事を好きだった…

今まで付き合ってきた彼女達は全部ウソで

俺の反応を見るためだった…

 

急にそんな事を言われたって…

 

じゃぁあの時も…?

 

高1の夏休み

翔と彼女と行った花火大会

彼女の肩を抱いて笑っている翔

 

翔への感情が抑えられなくなりそうで

心の目を固く閉じて押したスマホのシャッター。

 

もう翔と一緒には居られない…

 

翔が好きだから

翔のそばには居られない…

 

そう思って必死で逃げた。

 

離れていたら忘れられる…

会わなかったら忘れられる…

 

そう思って忘れたつもりになってたけど

結局は忘れる事なんて出来なかった。

 

会いたくて…

 

会いたくて…

 

笑いあっている翔と彼女を思い浮かべては

胸を掻きむしった。

 

あの時の感情が蘇ってきて今でも息が苦しくなる。

 

翔の言っている事が本当だとしたら…

俺は何のために高校を辞めて京都に行ったんだ?

翔を避けて…

翔を忘れようとしていた2年半は

一体何のためだったんだ…

 

やっと…

やっと皆んなと一緒だったら穏やかな気持ちで

会えるかもしれないと思ってたのに。

 

今更そんな…

 

「今更…そんな事…」

 

何でそんな事 言うんだよ…

人の気も知らないで!

 

知らなかったら普通の友達になれたのに…

知らなかったら…もう苦しまずにすんだのに…

 

翔の身勝手さに段々怒りが込み上げてきた。