「私はね!ショウちゃんがどんだけデレてるか
自分の目で確かめて、自覚して貰いたかったんですよ!」

…えっ?…デレてる?

……俺が?

まぁ確かにバラエティーの時の顔は緊張感の
無い顔をしてるな…とは思ったけど…
デレてるってぇのは…?

「…やっぱり分かってませんよね?」

ニノが大きく溜息をついて…
相葉ちゃんを見て…
二人で頷きあう。

「あのですね!ショウちゃんがアノ人を見る…」

「ニノ!」

三人が一斉に声の方を見ると
サトシくんがドアの所に立っていた。

「出番。相葉ちゃんと一緒にって…」

ドアが開く音がしなかった…って事は…
結構前からそこに居た?
ドアを開けたままで何か言いたげに
ニノを睨みつけるように見る。


ヨケイナコトヲ イウナ


ニノと相葉ちゃんが目配せをして…
じゃぁお疲れ…と言って出て行った。

突っ立ったまま二人の出て行ったドアの向こうを
見つめているサトシくんに

「サトシくんは?もぉ終わりなの?」

急に声を掛けたせいか一瞬ビクッと身体を震わせて

「…うん。」

俺の顔も見ないで小さく返事をすると
荷物を片付けだした。



……サトシくんって

……こんなに睫毛…長かったっけ?

……なんか……

ニノと相葉ちゃんがサトシくんの話ばっかりするから…
いつものサトシくんの横顔が…

いつもと違って見える…

サトシくんの横顔をボンヤリ見ていると
バッグのチャックを締めながら、俯いたままで

「ニノが何を言っても気にしなくていいから。」

「…えっ?」

「何か色々企んでるみたいだけど…気にしないで。」

企んでる…って?…何?と聞こうとした所に

「大野さ~ん!」

松本が賑やかに戻ってきた。