あれから…俺たちは嵐になり、ショウくんが
大学生になって…
卒業して…
キャスターになって…
俺に憧れてたショウくんがどんどん大きくなっていって…。

眩しかった。

肩を並べるどころか、遠いところに行ってしまったみたいで…。

でもショウくんの目はあの頃のままで、ショウくんは京都の事は
忘れたみたいに何も言わないけど、ショウくんがどう思っていても
俺は俺の一番がショウくんだって、ずっと思っていた。

「覚えてたんだ…」

ショウ君がポツリと呟く

「当たり前じゃん!…ってか遅せーよ!!!
俺、あの時10年後に言ってって言ったよね⁈いったい何年待たせんだよ!」

あっ!って顔をして

「ごめん…」

情けない顔で俯く。

しばらく俯いてたショウくんが ゆっくり顔を上げた時は
自信に満ちた目をしていた。
俺を正面から見つめて…

「サトシくん…好きだよ…」

あぁ……
身体中の血液が一気に沸き立って…

心が震える。



俺も……


でもそんなに直ぐには言ってやんない。
長々と待たせた罰だ。

んふふ…って 少し意地悪く笑って

「ショウくんさぁ~いつもビシッとスーツ着たりして
イケメててカッコいいのに、なんでこんな大事な時に
そんなカッコなの?」

ボサボサの髪の毛と俺のスウェット。
飲み過ぎて顔は浮腫んでるし…

言われてみれば、決めたつもりがこんなカッコで…

凹んでるショウくんが可愛くて、
床に膝をついて正面から見つめ、太くて男らしい首に
腕を回して身をかがめる。

俺の口唇がショウくんの耳をかすめるくらいの近さで
小さく囁く…

「…ショウくん 好きだよ。
ずっと……ずっと好きだったんだ…」

「あ……」

俺の首筋に息を呑むショウくんを感じて

ふふ…
ショウくん…今、泣きそうな顔 してるでしょ

こんなカッコでヘタレてるショウくんは俺しか知らないショウくんで
そんなショウくんも全部丸ごと俺の一番なんだ。

ショウくんの首に顔を埋めると
ずっとずっと欲しかったショウくん腕が…
最初は戸惑いながら…
そして力強く俺を抱きしめてくれた。