「霊魂は瞬間に移動する」

では、主に東京の伯母の家での

世にも不思議な物語を記載しました。

ここでは、福岡での

伯母の最期の一日の様子を

書き留めておくことにします。


「霊魂は瞬間に移動する」はこちら↓


45年前の

私の姉の結婚式前夜の物語です。

明日は姉の結婚式ということで、

我が家には

父方の東京の伯母とその息子

(私より20歳くらい上の従兄弟)や

父方の東京の叔父

(俳優(当時)今福正雄)や

母方の叔父や叔母も

駆けつけて、

我が家の居間は大賑わい。

明日結婚式というのに前祝いが

過ぎてませんかって、

当時大学生の私の頭をよぎりました。

さて、宴もたけなわ、

日頃あまり呑まない東京の伯母が

親父にすすめられて、

日本酒をお猪口で一杯。

お祝いにと日本舞踊を披露。

その後、酔が回ったと、伯母は、

居間の隣のいつもは私が寝ている部屋で

横になりました。

しばらくすると、襖越しに

すごいいびきが聞こえてきて、

「伯母さん東京から今日着いたばかりで

お疲れだったのね。」

なんて話して、また男性陣は

飲み始めました。

明日の主役の姉は先に休みました。

来てる親戚は皆さん家に宿泊して、

明日朝はマイクロバスで糸島の会場に

一緒に向かうことになっていました。

そろそろお開きにしないかなあと

思った時、隣の部屋で寝ている

伯母の様子を見に行った母が、

「お義姉さんの様子がおかしいよ。

息してないよ

それから、皆さん酔も覚めて

大騒ぎ。

近くの医者に来てもらって、

救急車来てもらって。

結局、伯母は既に亡くなっていました。

お医者さんが

私が来てから息をひきとった事に

しておきましよう。とかなんとか。

救急車は亡くなってる人は乗せませんと、

帰ってしまい、

それから、どうするか、

親父は酔っ払って話にならず、

役立たずで、

伯母の息子さん、つまり、

私の従兄弟と父の弟の正雄叔父さんと、

学生の私も加わって、

葬儀屋に連絡したり、

お寺の和尚さんに連絡したり、

結婚式の前の日にこんな事になるなんて、

誰が想像したでしょうか。

そして、従兄弟が東京の家にいる

奥さんに電話しました。

電話口の奥さんが、いきなり

「何かあったの?」って声が聞こえました。


そうです。その頃東京の伯母の家でも、

異変に気がついていてのです。


そんなこんなでしたが、

次の日は予定通り姉の結婚式

従兄弟は伯母の遺体の側に残り、

他は皆さんマイクロバスで糸島の会場へ。

結婚式披露宴は

新郎側は大賑わいで、

新婦側はまさしくお通夜状態。

歌って下さいとふられても

新婦側は誰も歌わず、話さず。

変な雰囲気のまま披露宴は終わり、

新婦側はまたマイクロバスで

伯母が待つ我が家へ。

次の日は東京から従兄弟一家と

従兄弟の兄弟姉妹が飛んできて

伯母一家が集まり、

一家の菩提寺である

福岡の崇福寺で葬儀。

火葬場で火葬。

そして、

東京の伯母の家で起こった異変を

東京の従兄弟一家から聞くことになるのでした。


45年経過しても

この不思議な体験談を忘れることは

できません。

東京の伯母とは数回しか会ったことは

ないのですが、

一緒に秋月の生家を探しに行ったり、

親父や伯母の母方の田舎をたずねたり、

忘れられない思い出もあります。

東京ではとても厳しい伯母だったようですが、

私にとっては、穏やかな優しい伯母の顔しか

浮かびません。

今度、東京の従兄弟一家に会うことがあれば、

伯母の想い出話に華がさきそうです。