唯我独尊、厚顔無恥、直情径行なトランプ大統領登場で、世界はテンヤワンヤです。オバマ大統領、英独仏EUが検討を重ね合意に至った核合意から関係各国に相談なく、いきなり一方的に離脱表明し、イランとの戦争も辞さない姿勢になったのは何がきっかけか?戦争屋にたき付けられ、危機をあおって武器を買わせる作戦?ホルムズ海峡でのタンカー攻撃は、被害の状況からみて自作自演との見方が強まっています(クリック)が、これも日本を引っ張り出し、より多くの武器を買わせる目論見が透けてみえます。安倍さんは、金で結ばれたトランプとの蜜月関係を維持するために有志連合に参加するでしょうが、トランプ施策であからさまになったAmerica First、実は37年前にもありました。

 

古い話で恐縮ですが、大型汎用コンピュータ全盛時代、日立、三菱がIBMの技術情報を不正な方法で入手したとされるIBM産業スパイ事件が発生しました。1982年6月のことです。FBIが摘発したこの事件、上司が直接関係していました。6月23日朝のニュースを見ていたら後ろ手に手錠をかけられ、FBIに連行される米国出張中の大○課長が・・・
 

通産省(当時)指導の下にIBM互換機路線を採っていたのは大型汎用機で国内シェアでしのぎを削っていた日立と富士通でしたが、IBMのシェアと拮抗していました。日本以外の他の国でのIBMのシェアは80%前後もあり、まさに一人勝ちの状態でしたが、日本では国内メーカが頑張っていました。そもそも、どうしてIBMが互換戦略を容認していたのでしょう。それはIBM互換路線を採ってもらい、同じアークテクチャで市場を拡げてもらった方が自社にとっても販路が拡がると考えたからだと推測できます。黎明期は確かにその作戦は奏功しました。しかし、市場は確かに拡大したものの、その市場は力をつけた日立、富士通が獲得し、どんどんシェアを上げてしまい、日立、富士通、IBMの3社がほぼ同じシェアで拮抗する状況になりました。

これは他の国では考えられなかったことで、互換機路線のビジネスモデルでその国を自社マシンで席巻するというIBMの目論見は見事に外れてしまいました。世界に君臨してきたその自信が、日本も他の国と同様、IBMに伍して製品開発できるメーカはないという唯我独尊な発想に陥らせてしまったのかもしれません。IBMは互換路線を採りにくくするためにOSの一部をファームウェア化してソースコードを解析できないようにするなど、さまざまな対策を取り始めました。しかし、それでもシェア増にはつながらず、著作権で攻めようと考えたようです。そこでFBIの登場です。ワナをしかけたオトリ捜査が始まりました。これが俗にいうFBIとIBMとの合作=FBIBMです!この方面にウブな日本の技術者達はFBIのシナリオに沿って次第に深くワナにはまっていき、逮捕に至りました。


日立もメンツにかけて敏腕弁護士を立て、公開され合法的に購入可能な情報を使っているのに何が問題なのかと反論しましたが、そこはすべてにおいて米国追随の日本の官僚。指導が入って(忖度して)莫大な和解金(賠償金)を支払い、なお且つ関連事業所にIBM社員が常駐し監視下に置かれるハメになりました。日立同様互換機路線を採っていた富士通も同様に和解金を支払いましたが、IBM社員が常駐したのかは分かりません。
真相は・・・オトリ情報を使い、役割分担をしてFBIが仕組んだシナリオが良く分かる記事を保管していました。37年前の新聞なので黄ばんでいることをご容赦ください。

要するに、ワナにはめるための芝居をうっていたことを当事者のIBMの社員がバラしてしまいました。覇権主義の米国の商売の仕方がよくわかる事件でしたが、皮肉なことに、この頃から大型汎用コンピュータ全盛時代は終焉を告げつつありました。パソコン時代の到来です。世界を席巻し、我が世の春を謳歌していたIBMでしたが、しばらくしてその地位をマイクロソフトに明け渡すことになります。奢れる平家久しからず・・・
なお、日立、富士通と並び互換機路線を採っていた三菱は、シェアが小さく且つ、IBM機を多用していた三菱銀行からのクレームもあって尻つぼみになり、話題にならなくなりました。この件からも、シェアを持っているメーカを狙い撃ちした事件だったことが容易に想像できます。

IBM事件から37年経ちましたが、世界はGAFAに代表される米国企業の独壇場。昔も今も世界は米国中心(America First)に回っていることが分かります。唯我独尊の中華思想でこり固まる中国の一帯一路政策も似たようなものですが、フランス、ドイツ、スウェーデン、ノルウェーなど、リベラルな思想の中心となってきたヨーロッパ諸国でも自国ファーストな思想を持つ右派政党の勢力拡大が起きています。『己を愛することを欲するや、必ずまず人を愛せ』という格言がありますが、トランプ大統領を筆頭に自国第一主義を標榜する指導者に理解してもらいたい言葉です。

 

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