日本から豊かさが消えて | 第一ゼミナール塾長のブログ

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1982年創立、函館の予備校・学習塾第一ゼミナール代表者のブログです。
小・中・高・高卒生の学力向上、志望校合格のため、日々全力で奮闘しています。
勉強のこと、校舎の出来事、身の回りの出来事、その他気の向くままに書き連ねたいと思います。

増税が検討されているそうです。
「消費税率」が10%では足りないそうです。
15%だとか、20%にすべきだとか、何とも恐ろしい計画が進められているようです。

防衛費を現在の2倍にする(!)、社会保障費がかさむ、コロナ対策でお金をばらまいた、などなど、不足する財源を国民に求めようということらしいのです。

財務省は律令制度下の大蔵省以来のDNAを忠実に受け継いできたせいか、国民から徴税することに躍起となるようです。

確かに、財源不足を税金でまかない続ければ国は「安泰」でしょう。
国の借金である国債の発行残高は、とうとう国の年間予算の2倍以上、1000兆円を超えています。
この借金はそっくり次世代の国民に回ってきます。
それよりは増税の方がましではないかと、財務省のお役人や政治屋さんが考えているのでしょう。

彼らには税金に喘ぐ国民は見えません。

しかし、今の日本の経済の低迷は、消費税が3%になり、その後5%になり8%になり10%になったことと無縁ではありません。

増税することで、一時的に国にお金が入ってきますが、個人消費が低迷し、増税効果は半減どころかマイナスに働いてきました。

国債発行と増税(なぜか大企業が払う法人税はどんどん減税)は、例えは悪いですが、モルヒネのように一時的に痛みは収まりますが、やがて元の痛みに戻るようなものです。

増税することが財源不足をまた生むのです。

増税して豊かになった国などこれまで世界のどこにもありません。

日本は技術大国、輸出大国と言われてきましたが、これはもうずっと昔の話で、今は、世界に向かって売る技術もなく、輸出できるのはトヨタの車くらいなものです。

半導体大国であったはずが、政府の無策のせいで国内生産を止め,バイオで負け、ITで負け、再生可能エネルギーで負け、電気自動車で負けて、いつの間にか国民一人当たりのGDPは世界の20番台に低迷、もはや日本は豊かな国ではなくなってしまいました。

政権担当者たちは、安易にもインバウンド観光とギャンブル・IRに活路を見いだそうとしたものの、コロナで頓挫。

観光とギャンブルだけで豊かになるのなら、自分の住む函館は全国一豊かな町であるはずです。
なにしろ、毎年、観光客がたくさんやってきます。
競馬場、競輪場があります。
パチンコ屋さんもたくさんあります。
しかし、函館が豊かなどとは恐らくほとんどの市民は実感していません。
造船業、遠洋漁業の低迷と軌を一にして函館は低迷しています。
産業が衰退したところに豊かさはありません。

インバウンド需要とギャンブルと増税と国債だけの日本では未来が見えてきません。
円安誘導と株高だけで国民が豊かになどなりません。

お金持ちがさらにカネを増やすだけです。

「民間投資を喚起する 成長戦略」だの「新しい資本主義」だのと、政権担当者はおっしゃいますが、その中身は全くありません。

世界に向けて、国内に向けて一体何を作って何を売ろうとしているのか、その具体策を政治屋諸氏はお持ちではないようです。

大学の予算を削り続け、「口は挟むがカネは出さない」方針からどんな素晴らしい研究や発見・発明が生まれるのでしょうか。

選挙のたびごとに繰り返される「ばらまき」から日本の豊かさは生まれてきません。
世界に誇れる技術とモノ作るためにカネとヒトを集中させなければいけません。
特に、AI分野での敗北は絶対に許されません。

まずは、大学の科学技術予算を当面倍増、5年後に3倍増、10年後に10倍増にしましょう。
日本中の研究者を対象に未来の技術と産業に関するコンペを行い、有望な研究や技術にどーんと援助しましょう。

資源のない日本、働き手が減り続ける日本で日本が豊かさを得るためには、「科学技術大国」を真剣に目指すべきです。

(追記)
数学離れ、物理離れが加速しています。
これでは良い科学者や技術者は生まれません。
解決は簡単です。
ドイツのように理系の大学・大学院卒の給料・報酬を初任給から上げれば良いのです。
きっと理系志向が増加するはずです。
嫌でも数学、物理をやるはずです。