明治38年1月、歩兵第五連隊は厳寒の満州にいた。

元日には、宴会を催して新年を祝っている。

前日には、生肉や生野菜、味噌、醤油、酒、たばこ、スルメ、菓子、干柿等が配給された。

 平穏な日々はその上旬で終わる。

ロシア軍は、中旬に後方へのかく乱行動を開始し、下旬には大規模な攻勢行動を開始した。

五連隊は、三叉河の戦いで初陣を飾り、黒溝台の会戦で死闘を繰り広げる。

 

 その2カ月あまり前、第3中隊長の倉石大尉は連隊の下士卒に対して「凍傷予防の心得」を教育していた。

その教育の中で、倉石大尉は自らが体験した遭難事故についても語っている。

そして、驚くことに遭難事故の原因も語っていた

 

 以降については、3月16日発売予定の拙著「生かされなかった八甲田山の悲劇」に書いております。

興味のある方は、ぜひご購入して、ご確認いただきたいと思っております。

他にも、あの遭難事故の生存者がその後どうしていたのか、

203高地攻撃の責任者友安旅団長の死闘と怒りは、

黒溝台の会戦における立見師団長の苦戦、

連隊長以下多数の死傷者を出した五連隊の戦いぶりは、

福島大尉の戦闘は、

遭難事故の教訓は生かされたのか、等について書いております。

 

 関連して、『生かされなかった八甲田山の悲劇』(山と溪谷社)発売記念のトークイベントを行ないます。

イベントをリードしていただくのは、『美しく、狂おしく 岩下志麻の女優道』(文藝春秋)『すべての道は役者に通ず』(小学館)などの著者で映画史研究家である春日太一さんです。

 

日時:2019年3月19日(火)18:30~~20:00頃終了予定(18:00開場)
場所:大盛堂書店3Fイベントスペース(渋谷駅前)

細部は、大盛堂書店のホームページでご確認願います。

http://www.taiseido.co.jp/event20190319.html

 

では、先週の続きを。

 25日未明、部隊は鳴沢を登っていた。つまり、前嶽を登っていたのである。

途中で路が違うと判断した倉石大尉は、「回れ右、前へ」と号令する。

それに対して、神成大尉はそれまで我慢していた怒りを抑えることができず、叫んだ。

「これはだめだッ!これは天が我ら軍隊の試練のために死ねというのが天の命令であるッ!みんな露営地に戻って枕を並べて死のうッ!」

(小原元伍長)「それでみんな士気阻喪したんですよ。帰るときはあっちでバタリ、こっちでバタリ、もう足の踏み場もないほど倒れたんです」

そして部隊として起こってはならない事態が発生する。(来週に続く)