(顚末書の要点)

 

 (部隊を転回させると、神成大尉は最後尾となりその先頭には編成外の山口少佐らとなっただろう。)

 

 佐藤特務曹長は方向を知ると称し……更に路を東北に転し急峻なる傾坂を下り困難の後駒込川の本流に会せり……

 駒込川河岸に沿って鳴沢凹地に出てこの凹地に流るる枝流を遡り……

 

『遭難始末』第二図「遭難地之図」

 

 赤太線は私の修正(伊藤元中尉の証言をもとに修正)、青点線は遭難始末の24日経路

 

 この日の行軍中に兵が斃れはじめ、質実剛健・経験豊富な伊藤中尉は山口少佐に行軍継続は死者を増やすので再度露営をする旨の意見具申をする。 だが大隊長は聞き入れなかった……

 

 小原元伍長は将校らが帰営する方向が全くわからないのに前進を開始し、行軍し続けたことを証言している。