痛みに聞け | 八光流 道場記

八光流 道場記

京都で約30年、師範をやっております。
つれづれなるままに書き綴ってまいります。

八光流柔術の練習をしていて相手に技を掛けた時 自分の手や体の何処かに痛みを感じる事がある。

これは、自分の動きに何か無理があると言う事だ。

こんな痛みを感じなくなるように技を修正し鍛え直す必要がある。

おれは、痛みを利用して上達してきた。

難しい理論や正当な形に捕らわれず 自分なりに何度も技を試してみる。
その時 痛みがあれば 体が本能的に痛まない動きや力の使い方を見付けて行く。

やがて 技を掛けても自分の手や体に痛みを感じなくなった時 おれの技は、上達している。

おれにとっては、他人が考えた小難しい理論や練習法に頼る前に先ず自分の体に感じる痛みに聞いて見る事が上達の極意の一つと言えるだろう。

ただし 自分の痛みに聞くなんて練習法を成立させる為には、他人の術理に気を捕られる事無く 自分の本能を信じて疑わない心構えが無ければならない。