奇人変人列伝 その8(前編) | 八光流 道場記

八光流 道場記

京都で約30年、師範をやっております。
つれづれなるままに書き綴ってまいります。

小学2~4年の同級生に変な奴が居た。
何が変かと言えば そいつは、非常に不潔だった。

風呂は、滅多に入らないし 顔を洗わず歯も磨かず 下着は勿論 服もなかなか着替えない。

あいつの家は、パン屋と麻雀屋営んでいて そのパン屋の看板に大きな字で「フジパン」と書いてあったので おれは、はじめの内あいつを「フジパン」と呼んでいた。

あいつは、小2の頃から6年生と間違えられる程大きかったが 驚く程 喧嘩が弱く よく苛められたりバカにされたりしては、泣かされていた。

おれは、別に正義感に溢れた少年じゃ無かったが デカい図体してピーピー泣かされている奴を見ている内に何だかイライラして つい苛められているフジパン君を助けてしまった。

それが切っ掛けで フジパン君とおれは、妙に仲良くなってしまった。
おれは、昔から変わり者と意気投合する癖があった。

クラスの女子が「あんた よくあんな奴とつき合ってるなぁ 臭いが移るで」と 言った。
「かもなぁ」と おれが笑っていると「おぉーい」と フジパン君がドタドタと走って来た。


後編に続く