八光流柔術の我が師 宇郷公山先生は、道場を持ってなかったので練習は、野外だった。雨だろうと雪だろうと山中や河原等でドタバタやっていた。長続きする弟子は少なく結局 野外練習で師範になったのは、おれだけだ。師範にはなったが 練習が練習だけに他の師範に比べておれの技は、良く言えば実戦的 悪く言えば荒っぽくて野蛮な技になった。そんなおれを師匠は、野に放たれた八光流と勝手に名付けていた。おれを野に放った張本人が言ってるんだから 間違いなくそうなんだろう。師匠は、口癖のように「変人の元には、変人が寄って来る。わしが変人じゃから あんたが、わしの所へ来たんゃ」と言っていた、 おれは、自分を変人だとは思ってないんだがねぇ・・・。
おれは、若くして師範になって随分長く師範をやっている。そして こんなおれの元に集った一癖も二癖もある弟子達については、また おいおいと紹介しよう。