謎だらけの微生物には興味が尽きません。
とても好奇心を?き立てられます。
過去記事でも植物同士がコミュニケーション(会話)をしていることはお伝えしましたが、微生物同士も素晴らしいコミュニケーション(会話)をしているようです。
どんな方法で?
初めて解明されたその方法を、日刊ゲンダイさんの記事からご紹介させていただきますので、ご興味がある方は下記のアドレスからご覧になり、参考にされてください。
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世界が驚いた!! 微生物同士が高度なコミュニケーションをとっていた!
その「会話」手段を初めて解明
超・進化論(25) 2023.04.11
NHKスペシャル取材班+緑慎也
日刊ゲンダイ
https://gendai.media/articles/-/107467?imp=0
人間は本当に生物界の頂点か?
生命誕生から40億年のあいだに出来上がった生き物の隠れたネットワークやスーパーパワーが、最先端科学で次々と解明されている!
NHKスペシャルシリーズ「超・進化論」では、5年以上の歳月をかけて植物・昆虫・微生物を取材。
そこには常識を180度くつがえすような進化の原動力があった。
書籍化された『超・進化論 生命40億年 地球のルールに迫る』では、40億年前に誕生し、今も進化を続ける「微生物」の秘密を明らかにしていく。
今回も、世界に衝撃を与えた研究をご紹介する。
微生物の集団を最先端の顕微鏡で観察すると、微生物が「会話」物質を使い、話し合いで役割を決めたりしているとわかった。
微生物との共同体として生きている私たちにも、この「会話」物質が影響していると考えられる!
■微生物のコミュニケーション手段を解明
植物や昆虫が、化学物質を介してコミュニケーションをとっているのは、これまでに紹介したとおりだ。
実は、微生物も高度なコミュニケーションをとっていることが最新の科学で明らかにされつつある。
筑波大学教授の野村暢彦さんは、そんな微生物の「会話」に耳を傾ける研究者のひとりだ。
2000年代初頭、野村さんは、当時最先端の顕微鏡で緑膿菌と呼ばれる微生物の集団を観察しその形が、「まるで都市のようだ」と驚いたという。
「微生物にも『社会』があると直感的に思いました」(野村さん)
微生物の集団が作る膜のような構造を「バイオフィルム」という。
排水口、花瓶の内壁、あるいは歯を指で触ったとき、ヌメリを感じたことはないだろうか。
あの正体がバイオフィルムだ。
野村さんはバイオフィルムを「生きたまま」観察し、それがのっぺりした2次元の膜ではなく、3次元の複雑な構造を持っていることを明らかにしてきた。
微生物の集団が作る構造「バイオフィルム」は、排水口のヌメリなど身近に存在する。
「生きたまま」観察すると3次元の複雑な構造を持つ上、化学物質でコミュニケーションしているとわかった。
(c)NHK
「バイオフィルムの形状が、周囲の環境に合わせてダイナミックに変わるんです」
たとえば緑膿菌は栄養不足の環境に置かれると、細長い空洞やマッシュルームに似た構造を持つバイオフィルムを作る。
「細長い空洞は一種のトンネルです。バイオフィルム内の物質循環に役立っていると考えられます。マッシュルーム構造のほうには、流れこんできた栄養源を効率的に取りこむ役割があるのでしょう」
微生物が集団で力を合わせ、臨機応変にバイオフィルムの形や働きを変えるから、排水口などのヌメリはなかなかとれないのだ。
■微生物も化学物質を介して「会話」している
微生物たちはどのようにバイオフィルムの形や働きを変えているのか。
「人間なら誰が何を引き受けるのかを話し合いで決めます。微生物も同じです。もちろん発声器官を持っていない微生物が、声を出して相談するわけではありません。実際に使うのは化学物質です」(野村さん)
「会話」して決めるのは、微生物も人間も同じ
なんと微生物も化学物質を介して「会話」しているのだ。
しかも、その会話物質をメンブレンベシクルと呼ばれるミクロな袋に包み、遠くの仲間に情報伝達することもあるという。
2016年、野村さんたちの研究グループは、メンブレンベシクルが作られる仕組みを明らかにし、世界に衝撃を与えた。
最先端の顕微鏡による観察で、緑膿菌がなんと破裂し、会話物質や自分のDNAの断片を細胞膜で包みこむことで、メンブレンベシクルが作られていることがわかった。
「微生物はメンブレンベシクルを作るのに、自らの命を犠牲にしています。なぜそんなことをしているのかについては、まだ明らかではありません。しかし、微生物集団の維持や環境適応に役立っていると考えています」
野村さんは、人間こそ最も進化した生物であるという考えは間違いであり、微生物のほうが、人間よりもはるかに高度な進化を遂げているという。
「私たち人間や他の動物、植物の体には相当数の微生物が棲んでいます。私たちは単に微生物に棲処や栄養分を提供しているだけではありません。微生物からもさまざまな機能を提供してもらっています。私たちが健康や生命活動を維持できるのは彼らのおかげです。その意味で、あらゆる生き物は、微生物との共同体として生きているわけです。いわばスーパーオーガニズム(超生命体)です」
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