現在東京のサクラは満開です。世の中の大部分の方はサクラが大好きで、3月も半ば過ぎるとそわそわし始め、今年はどこのサクラを見に行こうとか、どこのサクラは開花したそうだとサクラの話をします。
こうした話を聞くにつけ、私はサクラに対して世の中の人ほどには熱くなりきれないことに最近気がつきました。その原因は私がアルコール過敏症だということだと思います。
以前入院したとき、点滴をしようと消毒のためにアルコール棉で腕を擦ったら、そこが赤くなってしまい、ベッドに「アルコール棉禁止」という張り紙をされたことがあります。このくらいですから、もちろん飲んだら大変です。
というわけで、酒は一滴も飲まないせいか現在に至っても血液検査をするとバツ点の項目がひとつもありません。
その代わり、世の中の大きな喜びをやり過ごしてきたのではないかとときどき悔やんでいます。
たとえば、この料理にはどのワインがいいとか、この料理にはどの大吟醸がぴったりだとかいった話を聞くにつけ、それらを舌で味わい分ける喜びを想像し、自分には体験できないことが悔しいことです。
花見もその一つです。世の中の人たちは飲みながらサクラを見上げる体験を積んできて、飲んだ時の陶酔感、解放感とサクラの花は強く結び付いていて、私が見上げるサクラとは違ったものを見ている可能性があります。
といってもいまさらどうにもなるものでもありません。今度生まれるときは、適度な量を楽しめるいい酒飲みに生まれたいです。そうすれば今日の満開のサクラもまた違って見えることでしょう。
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