友人から勧められた本が面白かったので、おすそわけ♪
滋賀県人・59歳の妙子さんは、10年前に出て行った夫を探すため有給休暇を利用して東京に出てくる。ところが早々に財布を盗られ途方にくれる。拾ってくれた人からの連絡があり、行ってみるとそこは滋賀県の補助で運営されている宿泊施設「東京近江寮」だった。
財布やカード類は無事だったが、現金は残っていなかった。東京でのお金を節約したいし、滋賀県人なら安く宿泊できるというので、そこに泊まって夫を探すことにする。
夫は料理人で、あちこちの料理屋を渡り歩いていたようだ。手掛かりを探しながら、妙子が寮の台所で調理手伝いをしているうちに、これまでマズかった寮のごはんが、美味しいと評判になってくる。
外国人観光客までがご飯を食べに来るようになり、食堂部門が繁盛するようになってきた。
自分が必要とされている実感があり、妙子はやりがいを感じているが、有給休暇中なので1ヶ月間しか居られない。足取りは少しづつ明らかになってきたが、依然夫の居場所はわからない。さてどうする妙子さん。
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登場人物のキャラがいい。近江寮を利用する住人達には、それぞれの事情がある。ここで繰り広げられる「お節介だけどサバサバした人付き合い」が、ちょっと羨ましく感じられる(でもそのうちうっとおしくなるカモ?)。
あと滋賀県の郷土料理がたくさん出てくる。滋賀県の料理(江州料理)は見た目が地味なんだそうな。読んでるぶんには美味しそうだけどね。笑って泣けてサクッと読めるエンタメ小説だった(^^)
ただラストに関しては「ええええ―っ!?そこで○○ですか!∑(゚Д゚)」と言いたくなる(私はね)。
個人的には、表紙のおにぎりの絵がとっても美味しそうで妬ましい。
自分もこのくらい描けたらな~。