ブッちゃん 16 | ミータの愛猫物語(連載)

ミータの愛猫物語(連載)

愛するにゃんこ達との悲喜こもごもを綴ります。

 ブチがクルクルと円を描いて回転するようになった。

なぜだかわからない。いつも右回転で、だんだんと速く、

直径の短い円になる。夫が

「ブッちゃんの超高速スピン!」

と言った。今考えてもわからないが、きっと何か理由が

あったのだろう。

 ブチが死ぬ2週間前に、めったに吐かないブチが激しく

嘔吐した。何時間も前に食べたようなものを吐いて、苦し

そうに体で息をし始めた。もしかしたらもうダメなのかな

と思ったが、次の日には少し落ち着いてきた。でも息を

するのにお腹が大きく動いていて苦しそうだった。

 もう私達には何もできない。病院に連れて行くことは

二人とも考えなかった。ブチに負担を与えるだけだろう。

大好きな焼きカツオやチーズをやっても、食べる量は

少しになった。

 そんな状態でも、夜中にブチが歩いている音がした。

トイレを探しているのだろうかと、猫砂に入れたがすぐに

出て、顔を水に近づけるとジャブジャブと飲んだ。

 猫用のヒーターの上に毛布とフリースを重ねて敷いて、

ブチのベッドにしていた。一番寒い季節なのに、夜中に

見に行くと、廊下や台所の寒いところに座っていた。

「ブッちゃん!」

抱っこをしてフリースの上に置くのだが、座ろうとは

せずに立ったままだった。