ブチは若い時から小さめの堅いフンをしていた。
それを夫が 「ブッちゃんのチングソ!」 と言った。
おしっこも1日に1度はしていた。それが晩年には
不定期になった。
水をガブガブと大量に飲み、猫砂に野球ボールのように
大きなおしっこをした。他の子の数倍はあった。腎臓も
弱っていたのだろう。
フンも量も回数も少なくなった。高齢ゆえ仕方ないと思う
ようにしたが、いつもフンとおしっこが出たか気になっていた。
ブチがフンをすると
「ブッちゃんがチングソしましたー。おりこうやねー」
と言って体をなでた。
ブチはもよおしてくると、目が見えないので歩き回って猫砂を
やっと見つけてするのだが、床の上におしっこをしていることも
あった。気づかずにおしっこを踏んでしまうことも度々・・
そのうち、もうおしっこをする頃かな、と思うとブチを猫砂の
中にいれるようにした。でもブチがまだしたくなければ当然すぐ
猫砂から出てきた。私は床を汚されたくないので
「ブッちゃんおしっこしなさい」
と何度も猫砂にブチを置いた。ブチは鳴くでも嫌がるでもなく、
黙ってそのたびに出てきた。
「もう~ブッちゃん強情!」
バカなことをしたもんだ。ブチのことより自分の手間を優先
したのだ。