ツリちゃん 5 | ミータの愛猫物語(連載)

ミータの愛猫物語(連載)

愛するにゃんこ達との悲喜こもごもを綴ります。

 食べ終わるのを待って、サビの目をみながら話しかけた。

「サビちゃん、お家帰ろうか・・お家帰ろうね」

そう言いながら数歩歩いて振り返ったが、サビはついて来ない。

「お家帰るよ、サビちゃん」

また数歩歩いて振り返ったが、やはりこちらを見たまま動かない。

今日は無理か・・無理強いは止めとこう・・そう思って、もう

振り返らずに家に向かって歩いた。少し歩いていると、私の

横を何かがピューっと通り過ぎた。「サビちゃん!」

 サビが私を追い越して家の方に走っている。私も足早に戻り

玄関のドアを開けた。

 しばらく躊躇していたが、何度も呼ばれてやっと家に飛び

込んできて、そのまま2階へ走り上がっていった。

 やっとご帰還あそばした!サビ帰る、だ。ヤレヤレ!

 

 その後もツリがサビを追いかけることがあったが、その都度

ツリは私達にこっぴどく叱られた。サビが走って逃げるので、

猫の習性でツリが目の前を走るものを追いかけるのだ。サビも

逃げなければツリも追いかけないだろうに・・。

その頃のサビ