昨日の記事の続きです。

 

48グループがチーム毎に公演を行っている最大の理由は、研究生の昇格先となるからです。私が「博多なないろ」公演に対する不満を抱いていたのは正にこの1点でした。現行の状態では正規メンバーと研究生の区別が実質的にはないため、昇格発表が行われないという状態が続いてしまうだろうと危惧していたのです。

 

ところが、昨日の記事で言及したチーム公演の再開に合わせ、4人の研究生の昇格が発表されました。これまでHKTでは研究生の昇格という重大事をこれほど簡単に済ませたことはなく、突然の発表に対する衝撃も合わさって賛否両論が巻き起こりました。

 

 

公式サイトでも同様の発表がありました。

 

 

この時言及された「脳内パラダイス」公演の最終公演については、4人の出演が最後なのか千秋楽とするのかが分からなかったのですが、結局は今週木曜日で千秋楽となりました。再開されて衣装が新しくなったばかりですから、これも驚きでした。当然のことながら演目が変わることになるはずですが、今後の展開も楽しみではあります。

 

 

突然の発表には、オタクは勿論、メンバーの反応も実に様々でした。

 

 

 

 

 

 

 

この日は劇場公演で5期研究生による「脳内パラダイス」公演が行われていました。これまでオタクの目の前で行ってきたわけですから、公演の最後に発表するべきだったでしょうが、先述したように昇格するのは12人の研究生のうち4人だけです。これではステージで喜びと悲しみの入り混じった壮絶な光景が展開されてしまいます。

 

今回の発表方法の是非を論じる前提として、HKTの歴史を簡単に辿りながら、これまでに行われてきた研究生の昇格発表を概観します。

 

 

① 2012年3月4日 チームH結成

  お披露目以来研究生として活動してきた1期生のうち16人が昇格して「チームH」

  が発足しました。劇場デビュー日である2011年11月26日に行われた研究生公演の

    初日に出演した16人の中では唯一みなぞうが昇格出来ませんでした。同年7月には

  AKBから移籍したさっしーが、11月には同じくAKBから移籍したらぶたんが加入

  します。その一方、8月には3人のメンバーが即日活動辞退しました。

 

② 2014年1月11日 「クラス替え」発表

    グループとして初めて行ったコンサート「HKT48九州7県ツアー 〜可愛い子には

  旅をさせよ〜」の初日である大分昼公演にて、劇場支配人を兼任していたさっしー

  から発表されました。2チーム目となる「チームKⅣ」が発足しました。みなぞうは

  この時に昇格を果たし、同時に2期生研究生21名のうち16名が昇格しました。

 

③ 2014年2月24日 大組閣祭り

    Zepp DiverCity TOKYOにて開催された「AKB48グループ大組閣祭り 〜時代は変

  わる。だけど、僕らは前しか向かねえ!〜」では、全体的に②のチーム構成が維持

  されましたが、多くのメンバーが兼任となり、ちよりのAKBへの移籍・谷のSKEへ

    の移籍が発表されました。昇格では1期生最後の研究生だったまいこむと2期研究生

  のまなみんに加え、3期研究生だったなこ・みくがお披露目から僅か数ヶ月で異例

  とも言うべき昇格を果たしました。

 

④ 2014年3月21日 2期研究生の昇格

    大盛況となった「HKT48九州7県ツアー 〜可愛い子には旅をさせよ〜」千秋楽の

  福岡夜公演にて、茅野しのぶ・AKB48グループ総支配人が発表しました。②の時

  点では昇格出来なかったらいら・しの・ましろ・はるたんの4人が昇格しました。

 

⑤ 2016年3月30日 3期研究生の昇格・ドラフト2期研究生全員昇格

    48グループが衰退する中で、3期生は加入してすぐに「なこみくとそれ以外」に差

  別化された状態で長い間研究生として過ごすことを余儀なくされていました。多く

  のオタクから幾度となく昇格を望む声が上がっていましたが、「HKT48春のライ

  ブツアー ~サシコ・ド・ソレイユ 2016~」の千秋楽である福岡公演2日目のアン

  コールでついにその瞬間が実現したのです。研究生だった3期生全員とドラフト2期

  研究生全員が昇格したことで、3チーム目となる「チームTⅡ」が発足しました。

 

⑥ 2017年11月26日 4期研究生、全員昇格

    チームHを初代キャプテンとして牽引したちーちゃんが卒業した翌日にお披露目さ

  れた4期生は、この日行われた「HKT48劇場6周年記念特別公演」のアンコールに

    て全員の昇格が発表されました。あきちゃんはチームH、なっぴ・ねねちゃんはチ

    ームKⅣ、その他のメンバーはチームTⅡに昇格しました。

 

⑦ 2018年11月26日 ドラフト3期研究生、全員昇格

    前年と同様に「HKT48劇場7周年記念特別公演」のアンコールにて、ドラフト3期

  研究生全員の昇格が発表されました。昇格先は指名したチームと同一でした。前向

  きな決意を語っていたゆみみはこの1ヶ月後に突如活動を辞退しています。

 

 

私がHKTオタクになったのは2014年の夏ですから、④と⑤の間です。幸運にも⑤は現地で見届けましたから印象に残っていますし、⑥・⑦はDMM配信にて見届けました。つまり、私は全員が昇格した場合しか知らないのです。今回のように一部のメンバーのみ昇格というのは、グループにとっても約7年ぶりとなる出来事でした。

 

とはいえ、全員昇格に見えても内面はまた違います。4期生の場合はH・KⅣに昇格した3人とTⅡに昇格した7人では明らかに運営からの期待度に差があることが明白だったからです。ドラフト2期生もまだ早いと感じましたし、ドラフト3期生では1人だけ公演デビューが大きく遅れたみゅんの昇格はかなり甘いなと感じたものです。

 

 

そこで本題に戻ります。つまり「今回の発表形式は善か悪か?」ということですが、端的に言ってしまえば良い面と悪い面があったと思います。賛否両論が巻き起こったのは当然だと言えますし、双方共に一理ありました。共感した意見を抜粋します。

 

 

【賛成】

 

 ・一部のメンバーのみ昇格とする以上、オタクの前で発表するのでは昇格したメン

  バーも手放しでは喜べないし、取り残されたメンバーも悲嘆に暮れるだけで、誰

  も幸せにならない。観ているオタクも同じことである。

 

 ・オタクの前で発表した「クラス替え」で涙を見せるメンバーの姿は壮絶だった。

    もうあんな光景は見たくない。運営の優しさを感じた。

 

   ・今更48グループが踏襲してきたやり方に追従する必要は感じられない。これ以上

  メンバーを無駄に傷つける必要性が感じられない。

 

 

【反対】

 

 ・研究生にとっての昇格は悲願であり、最大の目標でもある。それをあたかも辞令

  のように簡易的に済ませてしまうことは考えられない。運営の認識は酷い。

 

 ・年度末だから駆け込みで事務的にやったのかと思ってしまう。

 

 ・努力を重ねて昇格という悲願を成し遂げた4人のメンバーの喜びの表情やコメント

  が記録に残らず、オタクも知りようがないというのは悲劇でしかない。

 

 ・選抜総選挙など、これまでにもメンバー同士の競争を煽って来たのが48グループ

  であり、メンバーもそれを承知で加入しているはず。安易な優しさは要らない。

 

 ・運営は配慮したのかもしれないが、結局は発表を受けて、結局はメンバーが個人

    のSHOWROOM配信でオタクを前に号泣しているのだから、同じことである。

 

 ・どうしてもステージで発表するのであれば、昇格先のチーム公演に昇格メンバー

  のみをアンダー出演させた上でキャプテンが発表するなど、昇格出来ない5期生を

  傷つけない方法はいくらでもあった。それを考えないのは運営の怠慢である。

 

 

5期生は全員集められて告げられたそうですが、確かに公式Twitterで発表するのみというのはあまりにもアッサリしすぎているというのは同意です。昇格はステージで行われて然るべきでしょう。但し、メンバーの悲しい顔も見たくはありません。この矛盾する事態を両立させるために、運営もかなり悩んだことでしょう。最良の選択とは言えませんが、ある程度は理解出来なくもないのです。

 

 

大前提として、今回は全員昇格という選択肢はありませんでした。長い休養期間を過ごしていた雅がいるためです。かと言って、雅1人を研究生としたのでは可哀想すぎますし、雅が出演する公演が無くなってしまいます。6期生が加入するまでの間、ある程度は研究生が必要だという事情も考慮しなければなりません。5期生を推している方々からはお叱りを受けそうですが、善悪の議論は別としても、先述した概観でも明らかなように、チーム事情と昇格の有無は大きく関係しているのです。

 

私自身は初期の昇格発表を知らないので偉そうなことは言えませんが、やはり同期と差が付いてしまったという事実をステージ上で明らかにされる瞬間は耐え難いものがあるでしょう。オタクの立場でも、出来るなら見たくありません。運営が避けたことも理解出来ます。努力していないメンバーなど1人もいないのですから。

 

今回昇格した4人は14thシングルの選抜メンバーですし、いずれもパフォーマンスに定評があります。とりわけ楓とくるたんは既にトップクラスと言っても過言ではありません。昇格は遅すぎたと言ってもいいでしょう。その点では「何故このタイミングだったのか?」「他にもあったのではないか?」と思ってしまいます。

 

私は楓とくるたんが同じチームではないというところに、未来を見据えた運営の戦略を感じました。楓は尊敬するはるたんと同じチームであるべきでしょうし、くるたんは「制服の芽」公演への初出演を私自身も観劇しましたが、よく似合っていました。

 

演目の話題になったのでついでに触れてしまいますが、昨日も述べたように、チーム公演の再開は喜ばしいものの、未来ある5期生を迎えて「制服の芽」を行うことに私は些かの不安を感じています。公演自体は大好きなので何度でも観劇したいのですが、メンバーの身体はやはり心配です。よりによって昇格した2人とも小柄なので人一倍大きく躍りますし、特にいぶきのダンスはまだまだ発展途上です。万が一にも2人に怪我をさせてしまうようなことがあれば、運営の責任問題になります。

 

あまり言いたくはありませんが、既にこの公演が原因となった怪我で多くのメンバーのアイドル人生を断ち切ってしまいました。これ以上の惨禍は断じて許されません。新会社がこの問題をどう捉えているのか、恐らく軽視されている気がして非常に不安なのですが、もはやオタクとしては祈ることしか出来ません。

 

 

昇格した4人はそれぞれTwitterでコメントを発表していましたが、突然の昇格発表に戸惑いを隠せない様子が伺えました。ともかく、4人には心から「おめでとう」と言いたいです。チームの一員となってもこれまでと変わらず魅力を存分に発揮して、グループを牽引して輝かせる存在になってもらいたいものです。

 

 

 

 

 

そして、残念ながら昇格出来なかった9人についても、加入当初と比べればパフォーマンスも大きく向上しています。先日の公演で日向があいちーに「未来あるんだから」「これもHKT48だから頑張っていこうよ」と声を掛けていました。仲の良い2人の間でのことですし、一見すると雑なイジリに見えますが、日向なりの優しさを感じる場面でした。無責任なことを言うのは気が引けますが、私も日向と同じ気持ちです。

 

 

今回の昇格で、新会社は昇格をさせてくれるということが明らかになりました。個人的にはこれだけでも大きな収穫だと考えています。近いうちに、必ず夢に日付を書くことの出来る日がやってくるはずですから、私もその日を心待ちにしています。