こぼれた酒
こぼれた酒を指先で
君の名前を書いている
二人でさがした古いアパート
散らかった本
煙草の煙
一年前と変ってないよ
変ったのは君がいないだけ
就職が決まったと喜ぶ君
その時俺は
何も決まってなかった
怒鳴ったり泣いたりはしなかったけど
どこかで
君を傷付けたのだろう
最後の電話は
車の騒音と涙で聞き取れなかった
こぼれた酒を指先で
君の名前を書いてみる彼
二人でそろえた安物の指輪
薬の袋
彼の書いた手紙
一年前と変ってないよ
変ったのは君がいないだけ
元気になったら
二人で旅行しようなんて約束
はたせなくて
すまないと
元気になって
ずっと一緒に暮らそうなんて約束
はたせなくて
すまない
こぼれたお酒を指先で
君の名前を書いてみる
初恋
僕の初恋は
とてもとても遅かった
僕は口下手で
人付き合いも下手で
不器用だった
そんな僕に
君は笑いかけてくれた
隣に座ってくれた
思い切って食事に誘った
君は来てくれた
映画も遊園地も
二人で行くようになった
僕は幸せだった
お互い忙しくなって
会えなくなってしまった
会えないことで
すれ違ってしまった
会えなくなって
随分たつけれど
風がまだ冷たい
駅のホームでひとり
君を思う
仕事が上手くいかない
苦いコーヒーを飲んで
君を思う
もしも許されるなら
もう一度好きになったらだめだろうか
もしも許されるなら
もう一度好きだと言ったらだめだろうか
もしも許されるなら
もう一度会いたいと思ったらだめだろうか
とてもとても遅かった
僕は口下手で
人付き合いも下手で
不器用だった
そんな僕に
君は笑いかけてくれた
隣に座ってくれた
思い切って食事に誘った
君は来てくれた
映画も遊園地も
二人で行くようになった
僕は幸せだった
お互い忙しくなって
会えなくなってしまった
会えないことで
すれ違ってしまった
会えなくなって
随分たつけれど
風がまだ冷たい
駅のホームでひとり
君を思う
仕事が上手くいかない
苦いコーヒーを飲んで
君を思う
もしも許されるなら
もう一度好きになったらだめだろうか
もしも許されるなら
もう一度好きだと言ったらだめだろうか
もしも許されるなら
もう一度会いたいと思ったらだめだろうか