
肌寒い冬の朝、厚手のツイードジャケットを着込んで西に向かった。

冬の雨、墨色の街が流れ落ちる水滴の間を通り過ぎていく。

新幹線を降り、ローカル線に乗り換える。前の席には、これから始まる温泉旅行を楽しみにはしゃぐ老夫婦、隣には静かに目を閉じてじっと耐えるように座っている人。すぐ近くに居合わせながら一生交わることの無い人たち。

鈍い鉛色に変わった空、単調な景色も見飽きて、ふと時計に目をやる。朝早く家を出た、まだ目的地にたどり着けないうちに一日の半分が過ぎていた。

目指す駅は昔家族と来た温泉町。時計が正午を指し示したのを見て、半ば義務感で昼食を済ませる。駅前の洋食屋の日替わり定食、あなた任せの消去法的注文で、私は食事という行為そのものまで忘れたいのか。テレビのニュースが静かな店にひびいている。天気予報が今日の伊豆地方は一日中雨の予報、と告げていた。

そそくさと食事を済ませ、駅前に戻る。雨に向こうに温泉まんじゅうの看板が見えた。何もかもが昔のまま、十年分年老いた自分だけ、変わらない景色の中で次に向かうべきところも曖昧なまま、ただそこにいた。

久しぶりに本格的な四川料理を食べたくなりました。自転車で行けるお店+本格四川料理という条件で経堂の「蜀彩」を予約。土曜とあって予約で満席、かなりの人気店のようです。

前菜と点心は雲白肉と紅油水餃を選択。どちらも美味しいけれど、本場のパンチ力には及ばない。メインの前に豆苗の炒め物。シンプルですがしっかり中華。いくらでも食べられそう。この3品だけで判断すると、日本人の舌に合わせて麻辣味を弱めたのかな?という感じがして、お店の人に「水煮牛肉と麻婆豆腐は麻味、辣味強めに」とリクエストしました。

いよいよ水煮牛肉、麻婆豆腐が登場。

見るからにスゴい四川菜。香りだけでむせてしまいます。

実食。辛くしてくれ、というリクエストが料理人を刺激してしまったのか、超本格的なレシピで出てきました。シビレと辛さが舌、口に広がります。美味い。食べ進むうちに頭、額、鼻の頭から汗が流れ出ます。白飯で辛味を中和しながら食べ進みますが、ここまで辛いともう興奮状態。ワシワシと食べ進むうち一気に満腹。食べ終わるとしばらく放心、というと大げさですが、なんだか食べ終わってホッとしました。あまりに美味しくて店員さんに「水煮牛肉の残りのソース持ち帰りたい」とお願いしたら、ちゃんと包んでくれました。いやー嬉しいなあ、これ勉強になります。

















