弊社は100年以上この業界で仕事をさせていただいております。
神仏事はやり直しがききませんので、知識と経験をフルに活用して間違いのないように努めております。
ですが、時に予想もできなかった間違いが起こることがあります。
その例をいくつかご紹介いたしますので、失敗が無くより良いご供養にお役立ていただければ幸いです。
・四十九日法要並びに埋葬の際に墓前供養を承ったのですが、開始時間にお客様は別の斎場にいらっしゃいました。
原因は、お客様の方で墓前供養の前には斎場で法要をとり行うものと思い込んでいたためでした。
弊社のみならずお客様はそのことをご住職様にもお伝えしていなかったため慌ててご住職様が準備に向かい、さらにその後のご予定も遅れてしまうなどのトラブルとなりました。
・どこか1件に伝えれば、ご依頼や変更がすべて伝わるものだと勘違いされている
例えば、埋葬にあたり霊園管理事務所に伝えればご住職様や石材店にご連絡をしてもらえるものと思い込まれて当日何の準備もできていないケースがあります。
また、同様に日時や内容の変更についてもどこか1か所もしくは誰か一人にお伝えすればご住職様や石材店、管理事務所に自動的に伝わるということも普通はありませんので必ずご依頼をしているすべてのところにご連絡してください。
行き違いにより生花や果物などをキャンセルされますと、当然ながら実費を頂戴しますし、ご住職様に置かれましてはご多忙のためすぐに次のご予定が決められるということではございません。
・戒名(法名・法号)を付けていただければ位牌もついてくると思われている
これも何回かお聞きしました。
葬儀の際に葬儀社様にご依頼した場合は、四十九日までの仮の位牌である白木のお位牌をご用意してくださることが殆どですが(例外もあり)、葬儀が終わってから戒名授与をご住職様にご依頼される場合は、白木のお位牌はついては来ません。
中には本位牌が付いてくると思われたケースもございました。
確かに戒名料というのは結構な金額になりますが、だからと言って位牌代が含まれているということではありません。
幸いにして、間に合わなかったとか実際に間違えたということはなかったのですが、お客様がそんな風に勘違いされていたというお話を何度か聞いたことがあるのです。
・法要の内容をすべてご住職様にお伝えしていない
どなたかのご不幸があって、お墓にご遺骨を納める『埋葬』の場合、ご住職様にそれしかお伝えしないと道具の準備をされていない場合があります。
仏教徒の場合、お墓がある方はたいてい四十九日前後に埋葬されるので、四十九日法要も一緒にとり行われると想像がつきます。
ですが、新しくお墓を作られた場合は、お墓に魂を入れる(眼を開く)開眼供養(建碑式/浄土真宗)が必要となります。
新たに本位牌をおつくりになられた場合は、本位牌の開眼が必要になります。(白木の位牌の眼を閉じる)
また、新たに仏壇をお買い求めになられた場合も、ご本尊様の開眼が必要となります。
例えばそれが一周忌の機会だったり、すでに埋葬されている他の方の年回忌もご一緒にとり行いたいという場合やなどそれに見合った儀式と道具が必要なのです。
そして当然ながら順番があります。
開眼していないお墓はただの石の建造物にすぎないため、正式に言うと埋葬供養もできないということになります。
思っているだけでは何も伝わりません。
仏事の名称は難しく聞きなれないものばかりでしょうが、状況だけ伝えればご住職様もご理解していたただけます。
・永代供養墓と生前彫刻について
近年永代供養墓というものが一般的に広まってきました。
ご遺骨を納める際もしくは将来のために最初に一度だけ代金を支払えばその後は一切費用が掛からないというもので、跡取りがいない方や後世に負担をかけたくないという方の需要があります。
先日永代供養墓と個人墓を混同されたためトラブルが発生しました。
お知り合いの方がある永代供養墓にすべての代金を支払ったのですが、その中には将来自分が他界した際にお墓に戒名等一式を彫刻してくれる費用が含まれているそうです。
その話を聞いてご自分も後世に負担をかけたくないため、生前戒名を授けていただき、その彫刻を弊社にご依頼されました。
弊社としては直接お客様とお話しする機会が全くないためその経緯は知ることはできず、ただ彫刻する内容と代金だけをご紹介者様から預かりました。
弊社はお墓に彫刻する原寸大の原稿を作成して間違いがないかどうかを必ずご確認いただいていますが、その際に今回彫刻していない命日とか歿年齢も今回の代金に当然含まれていると思っていると言われてしまいました。
そんな話は一切ありませんでした。
今回のご依頼内容は生前戒名と俗名の彫刻のみ。
永代供養墓というものは、成り立ちがそういうもので生前に将来の彫刻代を支払うことが可能なシステムです。
それに対して個人のお墓への生前戒名の彫刻は、そのような契約にもなっておりませんし、事前にご相談もありませんでした。
通常は文字数にかかわらず、お墓で彫刻作業をした回数分だけ代金を頂戴しています。
本来は生前戒名代も他界した後の彫刻代も同じであり、生前戒名の場合は、他界した後にもう一度同じ彫刻代をいただくことになります。
うちのような小さな会社はいつなくなるかわかりません。
もし、将来の分を先に支払っていたただいたとしても会社がなくなり、経営者が他界したならば誰がその約束を守るのでしょうか。
永代供養墓は、お寺や霊園単位で運営していますので、個人商店や個人にご依頼するのとはわけが違うのです。
もし、自分がいなくなったなら間違いなく会社は存続しません。
その時点でこの仕事にかかわっていない自分の親族に連絡をされてもかなり困るでしょう。
お客様が後世に迷惑をかけたくないと思っているの同様、うちもそう思っているので決して安易に将来の作業代をいただくことはありません。
いや、今回はいただいていないのですが。
ただし、かつて有限会社の方で当時の社長が約策した件につきましてはわたくしが存命する限り、会社がある限りは約束を遂行いたします。
弊社は今後の分では引き受けていないということをご理解ください。
以上のようにお客様の勘違いによりトラブルが発生します。
その兆候すら見れた時には当然対処しますが時に全くわからぬまま事が進む場合があります。
良い供養のために思っていることは関係者に全部伝えてください。