「墓じまい」で墓を取り違え、業者に560万円支払い命令…別区画の同じ家名の墓石を撤去
読売新聞 によるストーリー • 23 時間
 

 墓じまい(改葬)で墓を間違って撤去され、親族ら6人の遺骨を合葬されたとして、大阪府内の姉妹が、東大阪市の専門業者「大阪石材工業」と依頼者の女性を相手取り、墓の再建費や慰謝料など約600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が15日、大阪地裁であり、黒田香裁判官は同社に560万円の支払いを命じた。

 判決によると、同社は2021年11月に箕面市内の霊園で、女性から墓じまいの依頼があった墓と姉妹が管理する墓を取り違えて撤去した。二つの墓は別の区画だが、同じ家名が刻まれていた。翌月に姉妹側が墓参に訪れ、撤去に気付いた。墓石の一部は粉砕された上、遺骨も合葬式の墓に納められて他の遺骨と区別できないという。

 訴訟で、同社側は「現地で墓の写真を撮影し女性に送ったが、誤りは指摘されず、過失はない」と主張。女性側は「墓の区画番号を同社に伝えた。写真も受け取っていない」と訴えた。

 黒田裁判官は、同社について、「霊園に問い合わせれば墓を容易に特定できた。専門業者としての注意義務を怠った」と過失を認定。女性に対しては「専門業者が墓を取り違えると想定するのは困難だった」とし、賠償責任を認めなかった。

 

【解説】

 

通常墓じまいのための撤去工事はその前にご遺骨を取り出す改葬の作業や手続きをしているはずです。

例外的に公営霊園で入札等により無縁となった墓所の撤去工事を請け負った場合、ご遺骨を取り出しながら撤去工事も進めることもあるようです。 

その場合のご遺骨は無縁墓等に納めます。

東京都立霊園の場合ですが、事前にご遺骨の埋まっている場所や数やお墓の寸法や作りを念入りに調査して把握していますのでその点でも間違える可能性はないはずです。

しかしながら今回は無縁ではなくご依頼主がいらっしゃるのでそのパターンではなく石材店が単純に間違えたのでしょうね。

ご遺骨を事前に取り出す(改葬)こともお客様が立ち合うことも無く、そのまま撤去するのは通常では考えられないやり方です。

自分がこの間違いをやってしまった場合のことを考えると恐ろしいですが、この石材店さんはそれまでにいくつもの手順を飛ばした結果、間違えが起こっているので、『明日は我が身と思って気をつけます』などとは言えません。

 

お客様にはとても同情致します。

 

訴えられてしまった依頼主の女性の方にも災難でした。