予備試験口述試験対策の再掲 | ぼくが司法試験とかを受験したよブログ

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かつては法科大学院ルートで司法試験合格を目指すつもりだった大学生の主にメモ。
今は予備試験ルートで司法試験に合格してしまった法科大学院生の主にメモ。
たまに再現答案、老婆心。


今年の予備試験論文試験の合否が発表になりましたね。去年受験した者として、ローの友達に口述対策の相談をされまくってます。

そんなわけで、1年くらい前に書いた記事を加筆修正して再掲しておきたいと思います。


【利用した本】

民事刑事共通
①民事裁判実務の基礎・刑事裁判実務の基礎(渡辺ほか)

民事
②完全講義民事裁判実務の基礎上巻(大島)
③民事訴訟第一審手続の解説(司法研修所)
④法律実務基礎科目ハンドブック民事(辰巳)

刑事
⑤刑事第一審公判手続の概要(司法研修所)
⑥法律実務基礎科目ハンドブック刑事(辰巳)


【民事】

要件事実と民事訴訟法の知識、さらに民事執行法と民事保全法の知識が必要になります。

要件事実は、①『民裁・刑裁』である程度つかんだあと②『完全講義』をひたすら読めば分かると思います。
『民裁・刑裁』は「要件事実」の章だけ読めばいいかと。もと所有みたいな要件事実論独特の概念が理解しやすくなります。
要件事実論の知識は『完全講義』で入れました。個々の要件事実も大事ですが、まずは訴訟物や請求の趣旨をきちんと答えられることが重要です。
要件事実の教科書は他にも新問題研究や類型別とかがありますが、最近の難化傾向を考えると、やはり『完全講義』を一度は読んでおくのがいいと思います。
ただ、この本はAdvance部分を抜いてもかなり量があるので、暗記するには取捨選択が必要になります。そこは④『ハンドブック民事』の要件事実部分や再現問答(『ハンドブック』にも載ってるほか、予備校が配ってたりします)とかを参考にして、基本的なものだけ確実に暗記するようにしました。

民事訴訟法と民事訴訟規則については、民事裁判の手続の流れを③『一審解説』でおさえて、二段の推定とかは『ハンドブック民事』で確認しておきました。正直、民事でことさら条文を憶える必要はないと思います。民訴の論文の勉強をしてて出てくる条文がなんとなく分かってればそれでいいのではないかと。

民事執行法・民事保全法も、基本的には『ハンドブック民事』と再現問答を読んだだけです。あと予備校の口述模試も勉強になりました。執行・保全はそんなに条文とか細かい手続とかまで憶えようとする必要はないでしょう。『ハンドブック民事』も重すぎです。直接強制・間接強制・代替執行、仮差押え・占有移転禁止の仮処分・処分禁止の仮処分とかの使い分けさえ理解できていれば少なくとも減点はされないと思います。

去年出た「固定資産税だけだと使用貸借」とか「集める証拠として住民票」とかは、勉強して憶えるものではなく常識というかその場のノリで捻り出すものだと思うので、あまり怖がらないでください。


【刑事】

最近の傾向として、刑法・刑事訴訟法の論文知識がガッツリ聞かれます。あとは刑事手続の知識。民事に比べて新しくやることは少ないはずです。

刑法・刑事訴訟法の論文知識に関する対策としては、僕は自作の論証集を何回か読み返すくらいしかしませんでした。ただ、聞かれるのは判例・実務を前提にした取り扱いなので、自説を判例以外で固めている人は注意した方がいいかもしれません。

特に刑法は主査に「構成要件との関係で説明してください」と何度も言われました。各犯罪類型の構成要件とその定義を重視してると思うので、そのあたりは重点的に見直しておくといいかもしれません。

刑事手続については、まず『民裁・刑裁』の刑事手続部分や⑤『一審概要』と六法を使って公判手続の流れを勉強しました。
ただ、刑事手続については⑥『ハンドブック刑事』がかなりうまくまとまっていること、『民裁・刑裁』や『一審概要』は捜査がないことから、これらを何度も読むことはしませんでした。
あとはひたすら『ハンドブック刑事』と六法で重要な手続について条文・要件を暗記していきました。


【法曹倫理】

民事刑事に共通の分野として、法曹倫理があります。法曹倫理は、民事刑事とも『ハンドブック』を読んで、職務基本規程の素読をして、再現問答を読んでおけば大丈夫でしょう。

当該事例で「何が問題になるか」さえ答えられれば減点されないと思います(今年の二日目刑事なら「依頼者の意思が確認できない」という問題点)。そこから先は専門家の間でも議論のあるところでしょうし、現場で考えて喋ればなんとかなります。


【模試とか】

最後に、予備校の口述模試は受けたほうがいいというか絶対に受けるべきだと思います。

LECと辰巳と伊藤塾のいずれも基本的に無料で(辰巳は有料?)、特に試験室に入室してから退室するまでの流れを確認できるのが良かったかと。このおかげで当日に無駄なパニックを起こさずに済みました。

僕はLECと辰巳の日程が早すぎて勉強が追いつかなかったため、伊藤塾のみ受けました。全年度分の再現問答ももらえてお得でしたね。
年によってどうなるかはわかりませんが、LECと辰巳はネットで口述模試の解説を無料配布してました。是非チェックしてみてください。