中東・北アフリカ:シリア:避難民20万人どこへ行った?::対立する報道 | 端事些事のブログ

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中東・北アフリカ:シリア:避難民20万人どこへ行った?::対立する報道


最近、シリア情勢をめぐっては、真反対とも言える報道がなされている。

先ずは、米欧日側報道。

国境に誰も来ない…シリア避難民20万人どこへ
シリア北部アレッポでの戦闘激化で「20万人が市を脱出した」(エイモス国連事務次長)とされる中、隣接するトルコ国境では30日、ほぼ誰も出国して来ない状況が続いている

 アサド政権による住民の移動制限が影響しているとみられるが、過去の大量脱出とは対照的な展開で、「避難民はどこに消えているのか?」(独ARDテレビ)という懸念が広がっている。

 シリアの地中海沿岸都市とトルコ南部を結ぶヤイラダ検問所は30日、客待ちの車が2台止まっているだけで閑散としていた。係官は「国境は開いているけれど、誰も来ない」と話した。地元住民によると、アレッポからの主要検問所ジルベギョズも、ほぼ無人の状態が続いている。


20万人避難も依然多くが脱出できず、シリア・アレッポ 国連発表(2012年07月30日 20:58 発信地:アレッポ/シリア AFP)
【7月30日 AFP】政府軍と反体制派勢力との激しい戦闘が続くシリア北部最大の都市アレッポ(Aleppo)では、約20万人の民間人が同市から避難する中、依然多くの市民が脱出できないでいる。国連(UN)が発表した。

 国連のバレリー・アモス(Valerie Amos)人道問題担当事務次長は声明の中で、アレッポから2日間で20万人が避難したが、その一方では大勢がまだ市内に取り残されていると述べた。また、AFP特派員によると、人口250万人のアレッポに残された市民は、砲撃やヘリコプターよる爆撃から逃れるため地下室に殺到しているという。

 アモス氏はニューヨーク(New York)で、アレッポやダマスカス(Damascus)、その他の地域の民間人に対する「砲撃、戦車や重火器の使用に強い懸念を持っている」と述べ、アレッポの市民が学校などの公共施設に集まっており、「ただちに食料やマットレス、毛布、衛生用品、飲料水を必要としている」と語った。

 シリアの反体制派組織、シリア国民評議会(Syrian National Council、SNC)は29日、シリア政府がアレッポで「虐殺行為」の準備を進めていると非難し、政府軍の攻撃に対抗できるよう、反体制派勢力に重火器を提供するよう呼び掛けた。またSNCは、アレッポに閉じこめられた民間人を救助する方策について緊急会合を開くよう国連に求めた。


シリア 第2の都市から20万人脱出か(7月30日 17時30分 NHK)
内戦状態に陥ったシリアでは、政府軍が大規模な軍事作戦に乗り出した第2の都市アレッポから2日間でおよそ20万人が脱出したとみられ、国連は、政府軍と反政府勢力の双方に対して、市民を標的とせず人道支援活動の安全を脅かさないよう求める声明を出しました。

シリア北部の商業都市アレッポでは、反政府勢力側が占拠した地区を制圧しようと、政府軍が28日から戦車や戦闘機を投入して大規模な軍事作戦を進めていて、多くの市民が犠牲になっています。
国連で人道問題を担当するエイモス事務次長が29日に出した声明によりますと、28日からの2日間でおよそ20万人が戦火を逃れて、アレッポを脱出したとみられるということです。
このうち多くの人が郊外にある学校などに避難し、食料や飲料水、毛布、それに、衛生用品などの物資が緊急に必要だということです。現地では、危険な状況のなか、シリアで医療などの人道支援に当たる「赤新月社」や、国連機関などが支援物資を届けているということで、国連は、政府軍と反政府勢力の双方に対して、市民を標的とせず人道支援活動の安全を脅かさないよう求めています


/*国連のバレリー・アモス(Valerie Amos)人道問題担当事務次長*/ によれば

/*アレッポから2日間で20万人が避難した*/ と言うのだが、

/*隣接するトルコ国境では30日、ほぼ誰も出国して来ない*/

20万人の/*避難民はどこに消えているのか?*/

ということらしい。


次はシリア政府支持の報道。

シリア市民、通常の生活を取り戻す(2012/07/30(月曜) 19:23 イランラジオ)
シリアの人々がテロリストの撤収後、自宅に戻り、通常の生活を取り戻しています。

シリアのテレビが30日月曜、伝えたところによりますと、シリアの首都ダマスカス近郊地域に住む人々は、この地域から武装勢力が排除され、治安が確立された後、自宅に戻っています

また別のメディアも、シリア軍によってアレッポのサラーフッディーン地区の大部分が制圧されたことを伝えています。

シリアの近隣諸国から入ってきているテロリストや武装勢力は、各都市の罪のない人々を殺害している他、公共物を破壊し、多くの損失をもたらしました。

ホムス、アレッポ、イドリブ、デリゾール、ダマスカス、ダルアーなどの都市では、ここ数日、政府軍とテロリストの衝突が発生しています。

シリア軍は、数日前からシリア各都市のテロリストを排除し始め、現在もそれは継続されています。

これらの衝突の結果、テロリストは多くの都市から撤収しています

テログループは2011年3月から、カタール、サウジアラビア、トルコなどの外国の支援を受け、シリアの各都市を混乱させてきました。

彼らは自ら同国の治安部隊や人々を殺害しながら、シリア政府が暴力を引き起こしている要因であるとし、シリアへの軍事介入に向けた下地を整えています。

まるで、20万人の避難民って何の話?ってカンジだ。

日本政府の「原発は安全安心」という宣伝や、戦時中の「大本営発表」並だろうか。


シリア軍 アレッポのサラヘッディン地区から反対派勢力を一掃
シリア政府軍は経済の中心都市であるアレッポのサラヘッディン地区からテロリストおよび傭兵らを一掃した。
サナ通信が伝えたところによれば、シリア政府軍は29日、反対派武装勢力の陣地や隠れ家を攻撃するのに、破壊や犠牲者を避けるために精密爆撃を行ったという。
サラヘッディン地区ではいくつかの拠点が占拠されたほか、いわいる「シリア自由軍」の野戦司令官4名が拘束されたアレッポ郊外の南部および南東部の住民の大半は自宅を離れ、より安全な地域へと避難している

こちらは、

/*アレッポ郊外の南部および南東部の住民の大半は自宅を離れ、より安全な地域へと避難している*/

という事で、避難を認めているようだ。

ただ、アレッポはシリア軍が掌握したとしている。


俺的には、どちら側の報道もマルッとは信用しない。どちらもウソや隠蔽を含んでいる。

まあ、俺的には、国際的な政治不信マスコミ不信な者なので、あしからず。

ただ、アナン大使の調停活動は効果が出てないとは言えるようだ。


ちなみに、こんな報道も

シリア反体制派に日本人か 動画投稿サイトに映像(2012.7.30 22:44 産経)
 内戦状態のシリアの反体制派武装組織「自由シリア軍」を自称する民兵たちと一緒に日本人とされる男性が写った映像が、動画投稿サイトで公開されていることが30日分かった。男性の安否や自発的に民兵と行動を共にしているのかなど詳細は不明。

 映像は30秒余りで、29日に投稿されたとみられる。眼鏡をかけ、首にカメラをぶら下げた日本人とされる若い男性が、反体制派民兵だという、銃を持った男性たちと共に、アラビア語で「神は偉大なり」などと唱和している。

 映像の説明は、撮影場所をシリア北西部ラタキアのトルクマン山とし「仏教徒の日本人記者がイスラム教徒に改宗した」としている。男性は映像内で「ムスタファ」と名乗っている。(共同)