童神 〜私の宝物〜 | 黄昏に語りて 〜天野滋さんの詩にのせて〜

黄昏に語りて 〜天野滋さんの詩にのせて〜

 
天野滋さんのどこまでも優しく温かい詩をこよなく愛する
人生の秋を迎えた一人の男のつぶやきです。

 城南海さんの曲をご紹介する第二弾は、沖縄の有名な民謡歌手である古謝美佐子さんが作詞され歌われているこの曲です。生まれてきた我が子を思う母親の気持ちをとても優しく表現された素敵なこの曲は、名曲であるがゆえに夏川りみさんや島袋寛子さんなどとても多くの方々がカバーされております。城さんは2010年にこの年放送されたNHKドラマ「八日目の蝉」の主題歌としてこの曲をカバーされ、オリジナルアルバム「綾蝶〜アヤハブラ〜」にも収められました。

 

   天からの恵み 受けてこの地球に 生まれたる我が子 祈り込め育て

 

 古謝美佐子さんが書かれた「うちなーぐち(沖縄ことば)」の詩にはとても深い意味が込められていて、私などが何も書くことはできません。今回この曲を取り上げました一番の目的は、御託を並べるつもりなど毛頭なく、ただこの素晴らしい城さんの歌を一人でも多くの方に聴いていただきたい、そして私が得た感動をともに感じていただきたい、それだけなのです。

 

   暑き夏の日は 涼風を送り 寒き冬来れば この胸に抱いて

 

 実は古謝美佐子さんはこの詩をお孫さんが生まれる時に作られたのだそうです。そう考えますとこの詩には、生まれてきたお孫さんに対する思い、そしてそれ以上に「親となった我が子への思い」をも強く強く込められているのではないか、私の娘とあまり年齢の変わらない城さんがこの曲を歌われているのを聴くと、ついそういう立場の思いにもかられてしまうのです。

 

   泣くなヨーや ヘイヨーヘイヨー 天の光受けて

   ゆういりヨーや ヘイヨーヘイヨー 天高く育て

 

 城さんのブログでファンの方のコメントに、こんな素敵なエピソードが書かれていました。城さんのライブで、トーク中にお客さんの赤ちゃんが泣き出してしまった時、城さんがこのフレーズ「泣くなヨーや、ヘイヨーヘイヨー」をアカペラで歌ったところ、赤ちゃんがピタッと泣き止んだのだそうです。感動しましたのは、城さんの歌で赤ちゃんが泣き止んだというまるで伝記のようなお話もさることながら、ライブ中に赤ちゃんが泣き出したとなれば迷惑をかけてしまうのではないかとお母さんもかなり動揺したでしょうに、その気持ちを推しはかりながら優しい笑顔でこの曲を歌った、その神対応です。

 歌はもちろん声の素晴らしさや歌唱力が大切だと思いますし、城さんはその点でも誰より卓越しています。しかしそれ以上に聴く者の心を揺さぶるのは、やはり歌う人の心なのですよね。

 城さんの歌が誰の心にも深く響く理由が良くわかる、本当に温かなエピソードでした。

 

 

 PVバージョンと古謝美佐子さんとのコラボバージョン、どちらも素敵なのでお聴き下さい。