「氷獄」 海堂 尊 | はじめのいっぽんの新しき物語

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「氷獄」
著者・海堂 尊 氏



同時期に海堂先生の本が3冊も貸し出しになってしまった。

当初は、コロナ黙示録から読もうと考えていたのだが、
氷獄の方がちょっぴり先だし、氷獄に登場している日高正義(ひだかせいぎ)と、
同じ名前の日高正義(ひだかまさよし)という人物がコロナ黙示録の登場人物にいたので、
やはり氷獄から読もうと、1週間で読み上げた。

これは4編の短編集となります。
がしかし、どの物語にも田口公平医師が出ているので、
田口・白鳥シリーズの続編と言えなくもないかな。

実際、明日から読むつもりの「コロナ黙示録」は、田口・白鳥シリーズ。
つまり桜宮サーガと言っても過言ではない。

最初は「双星」30頁。
1994年春となっている。
田口先生が勤める東城大医学部附属病院の不定愁訴外来。
東城大が敵視する碧翠院の跡取り娘の「すみれと小百合」の双子の姉妹。
その2人が田口先生を認めつつ、さゆりの新たな論説を産み出す話。


次は「星宿」44頁。
2007年冬と記されている。
主人公は、「チーム・バチスタの栄光」のすぐ後に発行された2作目の
「ナイチンゲールの憂鬱」のヒロインの同僚だった看護師の如月翔子。
白鳥のアイデアで、プラネタリウムを復帰させて、
患者の少年に手術に向かう勇気を与える話。


3番目は「黎明」56頁。
2012年春。
この年号はこの話の年号と一致するし、季節も一致する。
しかも古い順に物語が並べられている。
主人公は「若月奈緒」桜宮サーガをこれまで読んできた私が
聞いた事の無い名前である。
ちなみにこの名前も「コロナ黙示録」の登場人物に記されていた。
東城大医学部附属病院のホスピス棟の若手に見えるが、
中堅の看護師である。
やはりここでも璧翠院の名前が出る。
私も読んでいて璧翠院の院長には驚いたものな!


最後は「氷獄」で168頁。
2019年春となっているが、どうやらこの物語の書き出し部分の物語と認識。
これは後紙に書かれているものを拝借。

新人弁護士・日高正義が初めて担当する事件は、
2年前、心臓手術中の殺人事件として世を震撼させた
「バチスタ・スキャンダル」だった。
被疑者の黙秘により死刑に追い込めない検察。
弁護をも拒む被疑者に日高は、ある提案を持ちかけた。
そして2人は被疑者の死刑と引き換えに、医療の闇、
そして検察司法との戦いを開始する。
「チーム・バチスタの栄光」のその後を描いた表題作を含む、全4篇。
心揺さぶる連作医療ミステリ!