前編では全く生まれなかったので
いよいよ息子に生まれてもらいます。
「陣痛促進剤はいやだよね」
と話していた日のことを思い出して
そうかあれはフラグだったのか、とシミジミ。
初産は遅れる、とは聞いていましたが
やっぱり遅れるんですねー。
そもそも我が子、元は逆子でした。
逆子になった時は、それはもう妻が動揺して
大変しんどい体操を毎日頑張ったり
一生懸命歩いてみたり(1時間ほど)
それでも治らなくて、焦って涙した夜も…
結果、
「仕事を辞める」という選択肢が決め手になってか
逆子は無事治り、帝王切開は免れました。
自然分娩を希望していたようなので、僕も一安心…
この一件で、「ま、なんとかなるよ」と僕は思うようになり
予定日を過ぎようが、「ま、なんとかなる」と言ってましたが
これは産院的にはなんとかならなかったようで
「1週間過ぎたら促進剤でいきましょう」
という宣告を受けることに。
ショッピングモールを歩き倒したり
梅田界隈一円を歩き倒したり、とにかく歩きに歩きましたが
友達の家に遊びに行ったまま帰りたがらない子どものように
「いややー!まだここにおるーー!」
と、一向に息子はこの世に現れる気配はありませんでした。
で、投薬のために入院することに。やれやれ息子よ…
当日の朝、コンビニでゼリー系を買って食べて産院へ。
産院側は慣れたもので(そりゃそうだ)
入院やら検査やらサクサクと進めていき
当てがわれた個室に案内されました。
この個室がすばらしかった。
「ここなら働ける(電源確認よし)」
と、思わず第一印象で思ってしまった。
ワーカホリック気味な男を、どうぞ大バッシングして下さい。
でも、立会いも面会も全部やるぜ!!と
多分10年は昔から心に決めていたので
僕にとっては「面会しながら仕事もできるかな?」というのは
結構大事なポイントでありました。
まあ、なくても全然よかったんですけど…
驚いたのは、陣痛促進剤って、点滴とかじゃなくて
飲み薬だったということ。
1時間に1粒飲みましょうということで、11時くらいからスタート。
1粒目…
ん?なんだ?
何も起こらないのか??
まあ、そりゃそうか…そんな直ぐには無理だよな。
果報は寝て待てという言葉もあるし、まあ待つか…(・Θ・;)
2粒目…(・・;)
3粒目…(゜д゜;)
4粒目…( ̄Д ̄;;
お、おいおい(;´Д`)ノ
全く促進されてないけど大丈夫か???(°Д°;≡°Д°;)
ほんとに促されるのか??????ヽ(;´Д`)ノ
時折訪れる助産師さんも
「今日は無理かもね〜」
とか言い出すし、どうなってるんだあぁぁあ(((( ;°Д°))))
・・・と、思っていたら
「ちょっと痛くなってきたかも…?」
と遂に言いだしました。
ここから、様子が一変し、
声も出ないほどに痛みレベルが急上昇、
(ひぇぇ…やっぱり痛いんだな…そりゃそうだよな…)
そんな頃合いで
「晩ごはんですよ〜、食べたくないと思うけど」
「ちっちゃいオニギリ3つまでがんばろう〜」
と配膳する助産師さん。
あなたは鬼か何かそういうものですか?
「深夜まで出産が続くなら、体力勝負だからね〜」
うん。言ってることは正しい。鬼じゃなくて助産師さんだった。
第一、このみたらし団子レベルのオニギリ3つくらい
食欲旺盛な妻ならサササッと食べてしまえるかもしれない。
……と思ったら大間違いで
ここから「陣痛開始の妻 vs おにぎり(みたらし団子Lv)」の
大戦争が勃発したのでした。
みたらし団子食べきるのに実に1時間。
普段なら2分もあれば十分だろうに。
普段できることの30倍時間がかかる、というところに
陣痛の恐ろしさを覚えました
あらゆる体勢、姿勢、位置を試し、
ベッドにうずくまる妻に、容赦なく助産師さんのダメ出し。
「ほら、ああして!こうして!あなたが頑張らないと産まれないよ!」
。(;°皿°)
鬼だ。やっぱり鬼だった。容赦ねぇよ。
でも命の誕生は待った無しなんでしょうね…
甘っちょろい基準でやってられるか!って感じなのでしょうね…
憎まれること覚悟で、苦しむ妊婦に厳しい言葉を容赦なく投げかける。
あなたはプロだ。プロの鬼だ。目の前にいるのはプロの鬼。
ただ、そんなプロの鬼が言った一言で
病室は冬のように冷え込みました。そんな風に僕は感じました。
「まだ4cmやなあ」
(((( ;°Д°))))
今なんと????????
4cm?これで??
ここに至るまで、僕だってあれこれ勉強し
出産のワークフローをINPUTしてきたつもりでした。
経産婦の諸先輩がたの経験則もINPUTしてきたつもりでした。
そのデータを瞬時に僕は参照しました。
子宮口4cm、
その先には、さらに過酷な状況が訪れるということが
瞬時に検索されました。
この状況で、まだ先があるのか……
この時、陣痛開始から約3時間が経過していました。
3時間で4cm
じゃあ10cmまでは…単純に考えたらあと4.5時間か。
幼い頃から公文に通っていた僕が
その計算を終えるまでに1秒もあれば十分でした。
本当にやっててよかった。公文式。
なるほど、確かに今日の話にはならなさそうだ。
しかし
さらにここから事態は一変し、
妻に繋げられた陣痛とか母体とかの状況を調べる機械の
弾きだした検査結果によって、陣痛室へ運び込まれることに。
思ったより展開早くないか?
4.5時間とか計算間違えたか??
公文は役に立たなかったのか?
などの心の声が上がりましたが、陣痛室へ。
陣痛室へ向かうということは、いよいよ出産の時が近いということ。
何が起こるか、本当に分からないものなんですね。
陣痛室が一番辛かった、というのは妻の後日談です。
ただ、陣痛室での妻は……時々寝てました。笑
そういえばそんなこともどなたかが書いてました。
僕は妻のお尻を押すことに終始しながら
ようやく自分にマトモな役割が与えられたことに感謝し
妻もまた呼吸が随分うまくなり
1時間が経過……
ここでプロの鬼が
「旦那さん、ここ押さえとって」
と、股の間を押さえるように指示を得たのでその通りにすると
「なんか盛り上がってないか………????」
ということに気づくわけです。
そしてまた瞬時に推測しました。
これは、頭であると。
よく考えれば、腰のあたりをずっと手でさすっているわけで
その間、少しずつ我が子が動いていくのを感じてはいましたが
とうとう、頭がこの世に
この時、陣痛開始時から約5時間が経過していました。
ここで、妻が分娩室へ。
あれ? ∑(゚Д゚)
スピード早くないか????
まだ4cmとか
今日は無理かな〜とか
あれは一体、なんだったんだ????
いやいや
分娩室入ってからも、初産は1〜2時間、
いや3時間くらいかかる人もいると書いてあったではないか。
そうだ。ここからが長いんだ。
そもそも、「今日」という時間はあと2時間ほどしかない。
プロの経験値から、0時を過ぎれば今日ではない、
ということが計算されていたのだ。
それで「今日」という言葉が使われなかったのだ。
脳科学の統一一貫性理論に基づき
こんな不毛なことを一生思い巡らせていると
僕も分娩室に呼ばれました。
それは、非常によく目にする部屋と光景でした。
うわ、、手術室のあの灯りだよ、、あれ怖いんだよ、、、
医療的な器具とかいっぱいある、、
あれメスか?メスなのか?何かを切るのか?切開なのか?
注射器もある、、、使うのか?使わないのか?
ピーッピーッとか医療ドラマとかでよく聞くSEがリアルに聞こえる、、
あれは全部MAでくっつけてるだけで実際には鳴ってないんだよなきっと、、
あのSEってどこで買うんだろう?安いのかな?
入室後、また瞬時にあれこれ考えていたら
わずか数分で
「ほら、産まれますよ〜〜」
という声が聞こえるではないですか……
圧倒的感動
は、もちろんありましたが、心の中で叫んでいたのは
「はっや!!!!」
でした。
次の瞬間にはもう息子は産まれて
ギャーギャー泣いてました。
「ほら、旦那さん抱っこ〜」
と息子を渡され、
えっ、、、まず自分!?妻じゃないの?!
と思いつつ、抱き方も知らず抱いて(持って)みると
「お、重っも(((゜д゜;)))」
「でも、あったかいなあ」
という意外性&素朴な感想。
かくして、7月11日、22:18、2,800gくらいで
我が子はこの世に生まれてきたのでした。
あとで知ったことですが、
2016/7/11という日は、とんでもない日だったらしく
という3つの日が重なる、2016年で唯一の日だったのだとか。
そうか息子よ。
だから急に産まれて来たのか。
マ、、、、マイペース、、、、、
まあ、そんなぁこたないと思いますが
二重にオメデタイことだなと思っております。
強くマイペースに育ってくれ。