今日は大安なので、午前中は祈願祭、午後からはマンションの地鎮祭があります。

 

また、宮司を兼務する金沢市久安1丁目鎮座・延喜式内 御馬神社の春季大祭が今月30日と近いので、氏子の女子高校生に巫女奉仕をしてもらうため、昨夜は巫女舞の練習をおこないました。

 

 

さて、お神酒を注ぐ白磁の酒器を1つ割らしてしまったので、地元の神祭堂さんに頼んで、新しいものを持って来てもらいました。

 

 

当社では、この酒器を使って初詣や各種祭典、団体参拝などでお神酒や生姜湯を振る舞っています。

 

 

同じものが二つあるのは、お神酒か生姜湯のどちらかを選べるようにしてあるからで、最近は飲酒運転のこともあって、また女性の参拝者もいるので、生姜神社ということで断然生姜湯の方が人気があります。

 

 

鈴製のもの(錫銚子)もあるのですが、こちらはお神酒には向いていますが、温かい生姜湯を入れるとすぐ冷めてしまうので…。

 

 

やはり、この陶器の銚子を使っています。

 

 

で、酒器には「銚子」と「徳利」がありますが、どう違うのでしょうか?。

 

元々お銚子は、長柄の付いた金属製や木製、あるいは陶製の器で、お茶を注ぐ急須のような形をしていました。

 

注ぎ口が1つのものは「片口(かたくち)」、両側2個所に注ぎ口のあるものは「両口(もろくち)」と呼ばれています。

 

 

宮廷での祝宴で使われた銚子は片口となっていました。また大勢で酒盛りをする時など略式では両口のものを用い、左右の口から盃に注いでいました。

 

長柄の銚子はもともと銅製で、松竹梅、鶴亀などのめでたい模様が彫られ、これに金メッキされており、かならず「加えの銚子(くわえのちょうし)」とともに儀式に使用されます。

 

今でも、結婚式の三々九度で使う長柄銚子の雌銚(めちょう)と、提梁(ていりょう)の付いた提子(ひさげ)の雄銚(おちょう)がありますよね。

 

 

毎年6月15日の「はじかみ大祭(生姜まつり)」でも、社殿内の参列者には、片口で注ぎやすい提子を使って生姜湯を振る舞っています。

 

「提子(ひさげ)は、樽から取り出した酒を上部に取っ手(提梁)の付いたこの器に移し、「銚子」の酒が足りなくなると酒を加えて補充したものです。

 

そのため「提子」は「くわえ」とも呼ばれ、銚子の補助的な容器でしたが、 その後、桃山時代には蓋付きの提子があらわれました。

 

 

一方、「徳利」は神にお酒を捧げるための瓶子(へいし・へいじ)が変化したものです。

 

画像は、やはり当社の生姜まつりで、境内の多くの参詣者に祭員が瓶子で生姜湯を振る舞っている様子です。

 

 

瓶子を使うのは、たくさんの量が入るし、保温も考えてのものです。

 

 

瓶子は、中国の宋の時代に作られた白磁の酒器が原型であるといわれています。

 

画像のものは、毎朝の日供祭(にっくさい)で使用しているものですが、当社にはそのほか様々な種類の瓶子があります。

 

 

御神紋入りのこの大型の瓶子一対は、大祭で神饌(しんせん)を供する際に使っているものです。

 

 

表には御神紋の「菊桐抱合せ紋」が、九谷焼の金泥(こんでい)で絵付けされております。

 

 

その裏には、やはり裏紋の「桐紋」が染付されております。

 

 

また、当社は式内社なので、宝物室には昔から伝えられた古い瓶子が多く保管されています。

 

 

一番古いものは、この木地に黒漆が施されたものです。

 

 

そのほか、やはり神紋が施されたものや、素焼きのもの、金属製、あきらか絵付けされた徳利と思われるようなものまであります。

 

 

平安中期に編纂された『延喜式(えんぎしき)』に記載されているように、古代において酒は神に捧げるものであったため、瓶子(へいし)は神饌具(しんせんぐ)として用いられ、徳利の原型といわれています。

 

徳利が普及するにつれて、一対の瓶子が「御神酒徳利(おみきとっくり)」と呼ばれるようになったのもそのためで、落語の演目にもありますよね!。

 

室町時代にはすでに「とくり」という呼び名がありました。二升、三升もの「大徳利」 が、酒だけでなく醤油や酢など液体や穀物の運搬、貯蔵に用いられたとのことです。

 

 

江戸時代になると、一~二合程度の小さな徳利が普及しはじめ、徳利から 直接盃に注いで飲むようになりました。

 

それが明治時代以降には、小型の「燗徳利」のことを、酒を注ぐという同じ機能から「銚子」とも呼ばれるようになったのです。

 

だから、宴席で「お銚子一本!」という言葉をよく聞きますよね!。

 

 

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